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トロントの各界で活躍する著名人にインタビュー

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ケリー・サカモト Kerri Sakamoto
フィクション作家
処女小説『Electrical Field』で99年度英連邦作家賞を受賞し、一躍脚光を浴びたケリー・サカモト氏。8月に待望の新作を出版したばかりで、10月22日から10日間にわたって行われる作家の祭典、『International Festival of Authors』にも参加する彼女が、日系三世としての精神を語る。

―ご自身が日系三世であるという事実が、作品に影響を与えていると思いますか?

「自分が日系三世であること、そしてマイノリティとして生きてきたことは、大きな影響を与えています。私は100%日本人ではないし、100%カナディアンでもない。子供時代にも差別を受けたりして、『私はみんなと違う。私の何がいけないんだろう?』と、ずっとアイデンティティを探していた気がしますね」

―処女作、新作共に、第2次世界大戦や強制収容所といった史実が織り交ぜられていますが、特にご自身の思い入れがあるのでしょうか?

「第2次世界大戦中、私の祖父母も両親も強制収容所に送られました。カナダ人なのに、日本人の血が流れているというだけで疑いの目で見られてしまう。人々は今までの生活を捨て、目立たないようにひっそりと生きる事を強いられました。私は長い間、自分の家族が強制収容所に入っていたことを知らなかったんです。それが判った時、当時の時代背景に特に興味を持つようになりました」

―日本に対してはどういう印象がありますか?

「以前、作品のために日本の雰囲気を掴もうと思って、東京に3ヶ月滞在したことがあります。見た目は日本人なのに日本語を話せない自分は、ここでは外国人なんだなという感覚はありました。でもその一方で、すごく懐かしい感じがしたんです。言葉の響き、町の雰囲気、人々の風貌、食べ物、家のたたずまいなど全てが、私の中の祖父母の思い出を呼び覚ますものを持っていると感じました」

―普段はどういう生活をされていますか?

「執筆のどの段階にいるのかによりますが、普段は毎朝2、3時間執筆をして、それ以外の時間は読書をしたり友人と会ったりして過ごしています。書くことで自分の中身がある意味空っぽになってしまうので、インプットをする時間が必要なんです」

―現在執筆中の作品について教えて頂けますか?

「私が3歳の時に亡くなった祖父の話をベースにしたフィクションを書いています。祖父は日本の裕福な家庭に生まれながら、移民としての新しい人生を選んだ人です。ハワイのパイナップル畑で働いた後、カナダで材木を扱う肉体労働の仕事に就きました。祖父がなぜ、どういう経緯でそのような人生を選んだのかということを自分なりに考えて書いています」

―日本人読者に一言お願いします。
「日本の人が私の作品を読んでどう思うか、非常に興味があります。戦争を経験した年代の人はもちろんですが、若い人達にも読んでもらいたいですね」


ボーイッシュな外見からは想像もつかないほど物静かで女性らしい雰囲気を持ったサカモト氏。一つ一つの質問に熱心に答える彼女が時折見せるはにかんだような表情と、理知的な眼差しが印象的だった。

インタビュー/後藤美穂
ケリー・サカモト Kerri Sakamoto

フィクション作家。その緻密なストーリー展開と詩的な文体が評価され、処女小説『Electrical Field』で99年度英連邦作家賞を始め数々の賞を受賞する。1959年トロント生まれ。
サカモト氏新作
『One Hundred Million Hearts』 $32.95
トロント在住の日系人ミヨは、父の死をきっかけに日本を訪ねる。そこで彼女は隠された父の過去を次々と知ることになる。父娘の絆、人間の罪といったテーマをサスペンスタッチで描いた力作。
英連邦作家賞 受賞作品
『Electrical Field』 $19.95
(ペーパーバック版)
70年代のオンタリオの日系コミュニティ。親しい日系人一家が殺人事件に巻き込まれたのをきっかけに、アサコは強制収容所時代の記憶を蘇らせる。数々の賞を受賞したサカモト氏の処女小説。
*日本語訳版『窓からの眺め』
(¥1,800)はAmazon.co.jpなどで入手可能。

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