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トロントの各界で活躍する著名人にインタビュー

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桂 歌丸 (Katsura Utamaru)
落語家
国民的人気番組『笑点』などで見せるその飄々とした口調と、抜群のユーモアセンスで幅広い層から親しまれている落語家、桂歌丸氏。
日加修好75周年記念のイベント『トロント寄席』出演のため来加した歌丸氏が、海外公演から私生活まで、気さくに率直に語ってくれた。

--落語では常にお客さんに笑いを提供していらっしゃいますが、普段からよく冗談を言ったりするほうですか?

「落語を離れたら口をきくのも嫌だという人もいますけど、私自身は賑やかな方が好きです。弟子達とワーワー話して、その勢いで高座に出る。カミさんと喧嘩して難しい顔で上がったりすると駄目ですね。だから日常生活の中でも、嫌なことは言わないように、経験しないようにしています」

--横浜のご出身だそうですが、そこでどんな子供時代を過ごされたのでしょうか?

「家が遊郭で商売をやっていたので、お金にも恵まれていて、非常に贅沢でした。でも噺家になって一年で、私を育ててくれた祖母が亡くなって、それからは辛苦を味わいました。 お坊ちゃん育ちでわがままだったことが、この世界に入ってからはマイナスになりましたね。落語の世界ではわがままなんか通らないですからね」

--横浜のお坊ちゃんが、落語家になろうと思ったきっかけを教えてください。

「噺家というのは、『好き』以外に(きっかけは)何もないです。もう、落語が好きで好きでしょうがないんですね。
私は小学校4年生の時に噺家になろうと決めました。当時ラジオでNHKの寄席の番組を聴いていて、小学校を卒業したらすぐ落語家になろうと思ってました。でも、家の人に『中学だけは行ってくれ』って頼まれてね。だから中学に入ってから入門して、休みの日に師匠の所で噺の稽古をしてました。今でも中学校3年間は無駄だったなあと思います。勉強も大嫌いだったしね」

--今では落語界の大ベテランですし、弟子にして欲しいという人も多いのではないですか?

「弟子になりたいって来る人はいますよ。ただ、直接話しに来ればどんな人か判るけど、電話で『弟子になりたいんです』って言われたら『駄目です』って切っちゃう(笑)。
弟子の中にも色んな人がいますよ。そりゃあクビになる人もいます。失敗のない人間はいないですけど、一度失敗して注意されて、また同じ失敗をするような人間は、私の言うことを聞いてなかったっていうことだから、そういうのはクビ。クビにした翌日、謝ってきたらしょうがないけど」

--『笑点』ではよく楽太郎さんとやりあっていますが、やはりライバル同士なんでしょうか?

「楽太郎は商売上のライバルだね。芸人はみんなライバル。『あの人がこうなら、俺はこうだ』というような意識はあるね。
噺家はみんな強情で、ひとつヘソを曲げると大変なことになるんです。私は頑固で強情の代表だってよく言われるけど、自分では『いや、俺くらい素直な人間はいない』と言ってます。
(ここで「コメントは控えさせていただきます(笑)」と言った弟子の歌若さんに対して)ここで答えると、日本に帰ってクビになるからね(笑)」

--今回トロントは2度目だそうですが、他にどんなところで公演をされたことがありますか?

「海外公演はずいぶんやりました。カナダには20年以上前に来たし、メキシコ、ペルー、ケニアにも行った事があります。ただその時は、日系人向けに落語をやったんです。笑いが東京のお客さんの10倍くらいあって、反応はとっても良かったです」

--今回の公演ではどんな反応が返ってくると思われますか?

「予想がつかないし、ちょっと不安はありますね。歌舞伎や狂言は台詞が決まってるけど、我々はお客さんの反応によってこっちから入ってみたり、そっちから入ってみたり、同じ噺をしてもその時によって違います。字幕はこしらえてるけど、まずその通りにはいかない。そこが正直不安ですね。
まあ日本でやるのと同じようにやります。こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど、解ろうが解るまいが、こっちは気にしない。第一回ですから。その結果によって、今後はこっちが色々と研究していかなきゃ」

--話は変わりますが、ご趣味は何ですか?
「趣味は淡水の釣りです。あとは家でボーっとしたり、ビデオ観たり。大体稽古してますけどね。それ以外は寝てるか、女房と喧嘩してるか、どっちかですね(笑)」

--最後に、2004年の抱負をお願いします。
「マイペースで。いつも通り、人の意見は聞かずに」

インタビュー/後藤美穂
桂 歌 丸 【Katsura Utamaru】
本名 椎名 巌(いわお)。

1936年神奈川県生まれ。
中学在学中の51年に桂米丸に入門、68年に真打に昇進。89年に横浜市民功労賞、芸術祭賞を受賞、91年横浜文化賞、96年神奈川文化賞など数々の賞を受賞。長寿番組『笑点』を始めとするテレビ番組や公演で、独特のユーモアを発揮して大きな人気を得る一方、落語芸術協会の副会長を務める。

社団法人落語芸術協会サイト :
http://www.geikyo.com

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