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犬塚 伸彦
Nobuhiko Inuzuka
ミュージシャン |
| グラミー賞プロデューサー、アシュレイ・イングラムに見出され、デビューに向けトロントでアルバム製作に励むR&Bバンド『いぬかん』。そのヴォーカリストの犬塚伸彦が、ほとばしる想いを熱く語る。
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―『いぬかん』とはどんなバンドですか?
「音楽のジャンルで言うと『ニューフォークR&B』かな。ジャズとかフォークの要素が大きいですね。『いぬかん』の特徴は、マネージメントも制作も全て僕自身が行い、事務所やレコード会社を通さずに、プロデューサーと直接交渉してCDをつくっているという点。こういうやり方は日本ではあまり例がないのですが、僕らが今までの常識を破ることで、実力があってもお金とコネがないとダメっていう、日本の音楽業界の伝統みたいなものがなくなるきっかけになればいいなと思っています」
―人気女性シンガーCharaなどのプロデュースでも知られるアシュレイ氏と仕事をすることになったきっかけは何ですか?
「僕は高校を卒業してからずっと、バイトでお金を貯めては海外で生活するということの繰り返しでした。シカゴで1年間、板前をやっていたこともあって、その時にお客さんとして来ていたアシュレイと知り合いになりました。
でも初めて曲を聴いてもらった時は『全然駄目だ』って言われましたね。それからも3年ほどデモテープのやり取りを続けて、2ヶ月前にやっと『レコーディングをしにトロントに来てくれ』と言われたんです」
―今回は単身渡加だそうですが、他の2人のメンバーについて教えてください。
「ギターの加藤君は何でも完璧にやるタイプで、『いぬかん』の音楽理論担当という感じです。ベースの吉田君は黒人なみの優れたリズム感を持っています。2人ともすごく上手くて、『いぬかん』の技術部ですね。僕は大雑把なところがあるし、ギターもうまくないし、曲をつくって歌うだけです。
僕たちは、ロサンゼルスの『LAMA』というジャズの学校で出会いました。3人で『いぬかん』を結成して、地元のラジオや新聞、CMに出演したり、バーで歌ったり。その後は、日本に戻って2年間、桜木町で路上ライブをやりました」
―路上ライブの反応はどうですか?
「とてもいいです。調子の良い日だと4時間でチップが2万円、CDも30枚くらい売れます。僕たちは若い女の子よりも男のファンが多いんですよね。疲れた中年の方とか(笑)。まあ、打倒ビジュアル系で行こうと思っています。
ちなみにライブ時の僕の決まり文句は『おもしろきこともなき世をおもしろく(高杉晋作の名言)。トップブリーダー推奨、いぬかんです』です」 ―好きなアーティストは?
「ノラ・ジョーンズ、山崎まさよし、Mr.Childrenなど、生でちゃんと演奏している人は尊敬しますね。楽器を弾きながら自分のカラーを出せる人が、本物のミュージシャンだと思います。
CDで出来ていることが、生演奏でも出来なかったら意味がないと思うんです。ヒップホップやテクノもいいけど、生で楽器を演奏する若者がどんどん減ってきているのは残念です。リアルでシンプルなものをつくっていけば、もっと多くの人に伝わると思うんですよね」
―やはり今の日本の音楽事情に不満がありますか?
「今はとにかく飽和状態。二世で才能もない人とかが、ヘタクソなのに出てきてるでしょう。僕はそれを『徳川幕府体制』って呼んでるんですけど(笑)。もう早く大政奉還したい!っていう感じですね」――今後の予定は?
「2月にCDが完成したらアシュレイが来日する予定なので、一緒にデビューに向けてレコード会社を渡り歩くことになっています。シングル、アルバムのタイトルは共に『WAKE
UP』になる予定です」 ―『いぬかん』の音楽を是非聴いてみたいという場合はどうしたらいいんですか?
「デビューするまで待っていてください。絶対にCDを出します」 ―トロントで頑張る若者に、同じく夢を持つ若者としてメッセージを。
「せっかく日本を飛び出して来たのに、こころざし半ばで答えも見つからず帰国していく人も多いのではないでしょうか。
道を見失ってしまう時もいっぱいあるけれど、夢とアイデアがあれば何でもできると僕は信じています。僕の話を聞いて、誰にでもチャンスがあるという大きな希望を感じてもらえたら嬉しいです」
インタビュー/後藤 美穂 |
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『いぬかん』メンバー紹介
web site: www.h4.dion.ne.jp/~inukan |
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犬塚 伸彦 Nobuhiko Inuzuka
(ボーカル、アコースティックギター)
1977年、東京生まれ。世界各国を廻り、弾き語りやラジオDJ、バーでのライブ活動を行う。LAMA(Los Angels Music Academy)では安室奈美恵の元ツアーギタリスト、リンダ・テイラーらに教えを受ける。『いぬかん』の総合プロデュース、作曲、ボーカル、アコースティックギター、パーカッションを担当。
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吉田 靖雄 Yasuo Yoshida
(ベース)
1978年、北海道生まれ。99年に奨学生としてLAMAに入学。スティービー・ワンダーバンドの元べーシスト、エド・ルーシーらに教えを受ける。2000年度ジャパンオープンで技術賞を受賞。人気R&Bシンガー、クリスタルケイのレコーディングメンバーでもある。『いぬかん』のべース担当。 |
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加藤 保憲 Yasunori Kato
(リードギター、キーボード)
1978年、三重県生まれ。99年にベーシストの吉田と共に、奨学生としてLAMAに入学。カリフォルニア州ジャズ・コンペティションのコンボ部門で優勝、その後、N.Y.で現代ジャズ・ギター界の巨匠マイク・スターンに師事、日本で和田雄二郎に師事する。『いぬかん』のリードギター担当。 |
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Ashley Ingram
アシュレイ・イングラム (プロデューサー)
グラミー賞受賞経験を持つ音楽プロデューサー。1960年、英国ノースハンプトン生まれ。幼少時代に教会で聞いたゴスペルに感銘を受け、音楽の世界に入る。80年代には英国ソウルバンド、Imaginationのメンバーとして活躍。90年に同バンドを脱退した後は、米国に拠点を移し、数々のアーティストのプロデュース活動を行う。イギリスを代表する女性ソウル・シンガー、Des'ree(デズリー)の大ヒットナンバー『You
gotta be』を始め、癒し系女性シンガーCharaのヒット曲『Milk』や、Wyolicaの2ndアルバム『almost blues』を手がけるなど、その才能とセンスは日本でも広く知られている。 |
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