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マイケル・ナカムラ(Micheal
Nakamura)
トロント・ブルージェイズ投手 |
4月9日。ジェイズから送られて来た一枚のプレスリリースに、目を奪われた。
"Blue Jays claim Mike Nakamura."
『ナカムラって…誰?』 彗星のごとく現われたチーム初の日系人選手は、メジャー定着の夢を叶えるため、日々汗を流す。 |
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ゆったりとした投球フォーム。サイド気味に振り抜いた右腕から繰り出す鋭いスライダーは、あざ笑うかのように、打者の手元で逃げて行く。
開幕から不振が続くジェイズが、投手陣のテコ入れのため獲得したのが、チーム初の日系人プレイヤー、マイケル・ナカムラだ。
ロースター(メジャー40人枠)入りした彼は、昇格後の初登板でいきなり三者三振のデビューを飾る。以来、5月27日に3Aシェラキュースに戻るまでの間、彼は試合中盤を任される『セットアッパー』として、マウンドに登っていた。
「本当に光栄です。どんな場面でも、トスカ監督が僕を指名してくれる以上、常にベストを尽くしていましたから」
ナカムラの持ち味は、変化球の切れと制球力で勝負をするところ。ツボにはまれば三振の山を築き、不調の時はめった打ちに遭う。連投が要求される役割だけに、体調維持も難しい。
「ブルペンで準備している時も、マウンドに立っている時も、捕手の構えたミットだけに集中しています。集中し過ぎて、誰と対戦しているのか分からなくなる時もありますが…(笑)」
ナカムラはオーストラリア国籍を持つ日系二世。当然、英語が母国語だ。
「今は日本語をほとんど使わないので、大好物の『スシ』以外の言葉はほとんど忘れましたよ」 照れ臭そうに話す彼だが、9歳で始めた野球を通じて、父親の祖国・日本との縁も深い。12歳の時には、東京で行なわれた少年野球の世界大会に出場し、3位になった経験もある。 「子供の頃から野茂英雄投手(現ドジャース)の大ファンで、近鉄時代の写真を寝室に飾るほどでした。いつか日本で投げるチャンスがあればと、真剣に考えていた事もあって、21歳の時には、複数のプロや社会人チームのトライアウトも受けているんですよ」
日本でのプレーは叶わなかったが、97年の暮れ、ミネソタ・ツインズとマイナー契約を結び、新たな一歩を踏み出す。そして翌年、傘下のルーキーチームでデビュー。通算6年、220試合に登板したが、右ひじの手術を受けるなど挫折も味わった。また、毎オフにはオーストラリアに戻り、父親のスポーツ店を手伝いながらセミプロでプレー、ひたすらメジャー契約のチャンスを待ち続けた。
「もし野球が嫌いだったら、ここまで頑張って来なかった」
昨年、初のメジャー契約を果たし、6月には初昇格。1セーブを挙げたものの、12試合の登板に終わる。再起を期した今シーズンも、開幕直後にツインズから自由契約を言い渡された。そして、縁あってジェイズの一員に…。
「ジェイズは同年代の選手が多いのですぐ溶け込めました。でも、競争は激しい。いつも刺激を受けています。僕はまだ、成長過程にあると思っていますが、もうマイナー契約には戻りたくない。少しでも長くチームに残って経験を積み、メジャーリーガーとしての自分の地位を確立したいですね」
今、彼は再び3Aで乗り越えなければならない壁にぶつかっている。そんな彼を支えているのが、近年の日本人選手の活躍だ。日系人として、また、かつて日本でのプレーを望んでいた一人として、再び夢の続きを彼らと競い合いたい、と願っている。
「日本人選手は新人王を取ったり3割打ったりと、既に世界のトップレベルにあると思います。僕も日系人として、彼らに負けないピッチングを再び皆さんにお見せしたい。必ずスカイドームに戻って来ます」
インタビューを終え、アップに向かおうとする彼に、趣味だと言うフライフィッシングについて訊ねてみた。
「カナダはフライが盛んだよね。君はいいチームに来たと思わないかい?」
彼は「そうだね」と少し微笑んだ。「今までは、生き残るためにオフも忙しくて行けなかった…。もし、シーズンが終わるまでメジャー枠に残れたら、オフには是非行ってみたいな」
インタビュー/畑山 信行 |
| 年 |
チーム名 |
試合数 |
勝 |
敗 |
セーブ数 |
投球回数 |
被安打数 |
自責点 |
奪三振数 |
四死球数 |
防御率 |
| 98 |
Ft.Myers(1A) |
29 |
2 |
5 |
1 |
80.0 |
82 |
29 |
70 |
29 |
3.26 |
| |
Ft.Wayne(R) |
8 |
1 |
3 |
0 |
28.2 |
28 |
11 |
21 |
10 |
3.45 |
| 99 |
Ft.Myers(1A) |
14 |
2 |
0 |
2 |
19.1 |
9 |
4 |
18 |
5 |
1.83 |
| 00 |
Ft.Myers(1A) |
32 |
1 |
0 |
12 |
41.1 |
33 |
7 |
46 |
11 |
1.52 |
| 01 |
New Britain(2A) |
48 |
5 |
1 |
5 |
86.1 |
75 |
17 |
109 |
24 |
1.77 |
| 02 |
Edmonton(3A) |
46 |
4 |
3 |
2 |
87.1 |
85 |
46 |
80 |
22 |
4.74 |
| 03 |
Twins(AL) |
12 |
0 |
0 |
1 |
12.1 |
11 |
11 |
14 |
2 |
7.82 |
| |
Rochester(3A) |
43 |
6 |
6 |
2 |
78.1 |
71 |
26 |
95 |
28 |
2.99 |
| 04 |
Blue Jays(AL) |
13 |
0 |
3 |
0 |
15.2 |
16 |
12 |
18 |
4 |
6.89 |
| |
Syracuse(3A) |
1 |
1 |
0 |
0 |
3.0 |
2 |
1 |
3 |
1 |
3.00 |
| メジャー通算成績 |
25 |
0 |
3 |
0 |
28.1 |
27 |
23 |
32 |
6 |
7.37 |
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マイケル・ナカムラ
Micheal Yoshihide Nakamura
トロント・ブルージェイズ投手
日本名・中村吉秀。
1976年、奈良県生まれ。父親は日本人、母親がオーストラリア人の日系二世。3歳でオーストラリアに移住し、高校までをメルボルンで過ごす。アメリカの南アラバマ大を経て、97年ミネソタ・ツインズとマイナー契約。2000年のシドニーオリンピックでは、オーストラリア代表として出場し、4回1/3を投げ5奪三振の成績を残す。今シーズン開幕直後、ジェイズとメジャー契約。
4月24日から5月26日まで、13試合に登板し、0勝3敗、防御率6.89の成績を残す。現在は3Aシェラキュース在籍。趣味はフライフィッシング。尊敬する選手はノーラン・ライアン(元レンジャーズ)と野茂英雄(ドジャーズ)。家族はミスティ夫人と長女レイチェルちゃん(1歳)。174センチ、右投げ右打ち。 |
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