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トロントの各界で活躍する著名人にインタビュー

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ケン吉岡
Ken Yoshioka
ブルース・ハープ・プレイヤー
どこか懐かしさを覚えるハーモニカの音色。トロント在住のミュージシャン・ケン吉岡氏は、自身の奏でる心地よいハーモニカのサウンドのように、自然体でその活動について語ってくれた。

ハーモニカは近くて遠い楽器だ。誰しも見たことがあり、その音色にも親しみがある。しかし、ハーモニカを演奏した事がある人は一体何人いるのだろう? 
ハーモニカと聞くと、横に長く、穴がたくさん開いているちいさな楽器を思い浮かべるが、その中でも穴が10個しかないものは『ブルース・ハープ』と呼ばれている。近年、ブルースやフォーク、ロックには欠かせない楽器の一つとなってきているそのブルース・ハープを自由自在に操り、トロントで活躍する日本人ハーピスト(ブルース・ハープ・プレイヤー)のケン吉岡氏は、取材の要請に応えて私達を快く自宅に招き入れてくれた。

CDが積み上げられ、アンプやギターが置かれたミュージシャンらしい吉岡氏の部屋の中央には、小さいながら存在感のあるハーモニカたちがずらりと並ぶ。
「ハーモニカは、沢山ある穴を舌で塞いだり、(その舌を)外したりして音を調節するんだ。ひとつのハーモニカでは3オクターブまでの音階が出るんだよ」
机に並べられたハーモニカは約10体。どれも同じに見えてしまうが、キーがそれぞれ違うという。
「こっちは低いキーのハーモニカで、こっちは高いキー(のハーモニカ)。吹いてみると…ほら、違うでしょ?大体、曲のキーは決まっているから、1曲で使うハーモニカは1本のことが多いかな。でも、一晩で大体36曲ぐらい弾くんだよね。そうすると、曲にあわせてキーの違うハーモニカが必要になるんだ」

時には実際に演奏しながら説明してくれた吉岡氏。彼にとって、ハーモニカの魅力とは何なのか。
「一番の魅力は、どこでも持ち歩く事が出来ること。それに、よく言われるんだけど、ハーモニカは一番人間の声に近い楽器なんだ。人が歌う時の声に似てるんだね。だから、いろんなことを表現しやすい。
あと、ハーモニカの面白いところは、音の並びが不規則なところだね。ハーモニカには吹く音と吸う音があって、例えば、ひとつの穴を吹くと『ド』の音、でも、同じ穴を吸うと『レ』の音が出る。ところが、ドレミ…と順に音階を踏んでいこうとすると、吹いて、吸ってだけの繰り返しじゃなく、吹いて、吸って、吸って、吹いてと、イレギュラーになるんだ」

ハーモニカをマスターするのは大変そうに聞こえるが、驚く事に、吉岡氏がハーモニカに出会ったのは大学生の時だったという。
「ハーモニカを始めたのは結構遅いよね。大学では軽音楽部だった。高校までは野球部。(笑)母校の野球部の監督もした事あるよ。(爆笑)野球部っぽく見えない? 今、野球部の生徒にミュージシャンをしてるって言ったら驚くだろうね。野球部の同期たちの中には、僕がトロントにいることを知ってるのもいるけど。
トロントに来たのは10年前。始めはワーホリで来たんだ。ミュージシャンとして食べて行くための修行だと思って来たんだけどね。トロントはブルースの本場シカゴに近いし、カナダの中ではロック、ブルースが盛んな場所なんだ。日本で出されているレコードなどにも、トロントで録音されたものが多いんだよ。トロントで1年間過ごした後は、シカゴを回って帰ろうかなと思ってね。
トロントに来た始めの頃は、経験の為にトロントのブルースクラブでのジャムセッションに参加したんだ。ホストがオープンステージで演奏しながら、お客さんを次々に舞台に上げてパフォーマンスをさせるんだけど、そこで演奏した後、声を掛けられたりしてたね。そしてある時、初めてバンドからメンバーに、って電話が掛かってきた。それからだよ」

現在はトロントを中心に活動している吉岡氏。機会があればアメリカ、日本にも行きたいと語るが、拠点であるトロントの魅力は何だろう。
「トロントは、ルーツ音楽が根付いているところがいいね。普段あんまりスポットライトが当てられないもの、たとえばブルースとか、流行でもそうでなくてもいいものには目が行かないことが多いけど、トロントでは、みんな普通に受け入れてくれる。だから、いい演奏をすれば、それだけいいリアクションがある。そこがやりがいのあるところだね」
1週間に4夜ほどライブ活動をこなすという吉岡氏。今晩も吉岡氏の、ハープ・サウンドが、しっとりとしたブルースやグルーヴィーなロックに、ひと味もふた味も深みを加えることだろう。

インタビュー/西尾 裕美
ケン 吉岡
Ken Yoshioka
カナダ・トロントを拠点に活動するブルース・ハープ・プレイヤー。トロントのジェイ・クラーク&ザ・ジョーンズ、マイク・オグラディ・バンドなどのロック・グループに在籍しつつ、ジュリアン・ファウスなどのブルース・ミュージシャンのサイドマンを勤める。ブルースだけでなく、ロック、ジャズ、カントリーからケルティックまで幅広い音楽を吸収し、演奏する柔軟性を持つ。中学時代に洋楽を聴き始めギターを手にしたが、その後ブルースの洗礼を浴び、ブルース・ハープを吹き始める。1994年、カナダ・トロントに渡り北米での音楽活動を開始。北極圏バフィン島の町イカルウィットまでバンドツアーに出掛けたという経歴も持つ。現在、在籍するジェイ・クラーク&ザ・ジョーンズのニュー・アルバムは、オタワのFM局のチャートで1位を獲得している。神奈川県鎌倉市腰越出身。

●10月9日(土)22:00〜
Healey's(178 Bathurst)with Mike O'Grady Band
●10月15日(金)22:00〜
Tequila Lounge (794 Bathurst) with Jay Clark & The Jones
●毎週火曜日 22:00〜
James Joyce (386 Bloor W.) with Mike O'Grady
※その他、詳しいライブスケジュールはウェブサイトを参照ください。
http://ca.geocities.com/kenyoshioka99/

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