bits lounge
トロントの各界で活躍する著名人にインタビュー

ホームへ > インタビュートップへ > ジーナ・ガラン/ジュンコ・ウォング
BACK NEXT
Gina Garan/Junko Wong
ジーナ・ガラン/ジュンコ・ウォング
フォトグラファー/CWC代表取締役社長
大きな頭と大きな目。一体一体、微妙に違う表情と、アンバランスな魅力で老若男女をトリコにしたあの人形の正体とは?

トロントのダウンタウン、ユニークなフィギュア(人形)などを扱う人気店、マジックポニーの店先にどこからともなく集まってくる少女達。みんな個性的に着飾っている。彼女らのお目当ては『ブライス』。海外ではコレクター達に愛され、日本では専門店ビル、パルコのコマーシャルで爆発的人気を得たファッションドールだ。今回は、ブライスの写真を撮り続けるフォトグラファー、ジーナ・ガラン氏と、ブライス・ブームの火付け役であるジュンコ・ウォング氏を展覧会会場に訪ねた。

春らしい、暖かい陽射しが差し込むマジックポニーの2階、小さなベッドルームに2人はいた。ベッドの上には何体ものブライスが横たわっている。
「これはかわいい顔してるよね」
「見て! 新しい目の色(ギミック)を作ってみたんだけど…」
ブライスを前に目を輝かせる2人はまるで少女のようだ。
「私は昔から人形コレクター。ある時友達が、私に凄く良く似た人形があるよってメールをくれたの」
と、ブライスとの出会いを語るジーナ。そして彼女はブライスに一目惚れをした。

ブライスは1972年に米ケナー社から発表された。頭の後ろにあるひもを引っ張ることで目(ギミック)の色が、ブルー、グリーン、ピンク、オレンジと4色に変わり、グレープフルーツ大の頭を持つ不思議な人形だ。種類によって、異なる表情を持つことも大きな魅力の1つといわれている。

「旅行に連れて行ったら楽しいんじゃないかと思ったの。それからよ、ブライスの写真を撮りだしたのは…」
ジーナが撮るブライスの写真は個性的なファッション・センスが光る。

「ジュンコ達が企画した洋服を組み合わせてブライスに着せるの。私の撮るブライスはこういう格好じゃないとダメっていうラインがあって、セブンティーズとか、日本のストリート・スタイルファッションが多いと思うわ」
ジュンコが企画してジーナが写真を撮る。プライベートでも良い友達同士だと語る2人は、仕事でも息がぴったりの様だ。

「ジーナがブライスの写真を撮り出した一年ぐらい後に私たちは出会ったの。私が代表を務めるCWC(アーティストの活動をサポートするクリエイティブ・エージェント)で展覧会があって、そこにジーナが来ていた。彼女をはじめて見た時、凄く小さい女の子だと思ったわ。ハッパかな?って」

ハッパとは、ハーフ・ジャパニーズ、ハーフ・アジアンから来ており、日本人とアジア人のハーフを指す。
「私はアジア人だから、アメリカの体格の良い人の中に彼女を見つけて親近感を覚えた。それで話し掛けたのよ」
すると、ジーナはあるものを鞄から取り出したという。それはジーナが撮り続けていたブライス達の写真だった。
「ジーナの写真を見た瞬間、日本に持っていかなきゃ!って思ったわ」

そして具体的なプロモーションを考え始めたジュンコ。その時、彼女にひとつの案が生まれた。通常のギャラリーではなく、皆が足を運ぶところ、日本の人はきっと、ブライスに夢中になるはずだ。特にファッションに敏感な人は…。そんな世代が集まる場所は、人気のショッピング・ビルなのではないか? と。CWCの業務の1つに広告宣伝作りがあり、パルコの仕事を受けていた。そこでジュンコは、ブライスを使った広告宣伝をプレゼンテーションの場に持っていった。

「パルコのグラン・バザールのCMキャラクターとしてブライスを使うことが決定したの。テレビコマーシャルが流れたのはたった2週間よ。でも、反響は物凄いものだった」

ジーナはジュンコの言葉に頷く。
「それからは、趣味から始まったことが仕事になった。でも、基本は変わらないわ。いまでもドールコレクターだし、ブライスの写真を撮ることが好きでたまらない。私は、好きなことを仕事に出来た幸せ者だと思ってるわ」
現在、ブライス人形は日本のタカラで作られている。もちろん総合企画するのはCWCだ。では、ジーナは?
「ジーナは写真を撮ることで、ブライス達をバプタイズ(洗礼)するの。私たちは作るだけ。彼女が写真を撮らないと、命が吹き込まれないのよ」

金髪、黒髪、赤髪、数多くのブライスが販売されているが、箱に入っているうちはただの人形。そこに命を吹き込むのは愛情だとジーナは言う。持っているだけでは物は物。愛してあげなきゃね…。ジーナは、物質的には豊かになった現代で、忘れ去られていたものを思い出させてくれた。

インタビュー/西尾 裕美
Gina Garan (左)photographer
Junko Wong (右)CWC代表取締役社長

ジーナ・ガラン。ニューヨーク生まれ。CWC所属。世界的に人気の高いファッションドール『ブライス』の写真家として活躍中。写真集「This is Blythe」(クロニクルブックス)、「Dear Blythe, Love Gina」、「Dear Blythe, Love Gina2」(CWC BOOKS)、「BLYTHE STYLE」(CWC BOOKS)が出版されている。右奥でブライスを見つめて微笑むのはCWC代表取締役社長であり、キュレーターのジュンコ・ウォング氏。
Information
北米初!ブライス展
● 日 時:4月30日(月)〜5月25日(水)
● 場 所: Magic Pony Gallery
    (785 Queen St. W., 2F)
● 連絡先:416-861-1684
http://www.magic-pony.com

北米初のこのイベントでは、ジーナによるフォトブックだけでなく、ブライス、プチブライス、キャラクター商品が手に入る。

E-mail: webinfo@bitslounge.com | Copyright (C) Bits Box. All Rights Reserved.