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Keiko Miyamatsu
サンダース宮松敬子
フリーランスライター |
| プライド・ウイークに盛り上がるトロント。レインボーフラッグがはためく華やかなパレード。今年はその中に隠された部分へも目を向けてみよう。 |
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03年6月、04年12月。カナダ国内はもとより、世界中の各紙の一面がある話題で賑わった。『同性婚』問題である。この問題について3年以上にわたり地道なリサーチを続け、今年4月に教育史料出版から『カナダのセクシュアル・マイノリティたち〜人権を求めつづけて〜』を出版したのが、トロント在住のフリーランスライターであるサンダース・宮松敬子氏だ。今回は、東京大学を始めとする日本各地の大学から講演に招待されるなど、あちらこちらから大きな反響を受けている同氏をハイパーク近くのご自宅に訪ね、お話を伺った。
「本当に肩に食込んでいた荷物を降ろした…って感じですよ」
と笑う宮松氏。セクシュアル・マイノリティ(同性愛)問題は、いつか書きたいと温めていたテーマだという。 「03年で一旦は書き終えたんですが、6月に変化があったことに加え、去年の12月には、最高裁の判決を受けてカナダ政府が同性婚を合法化するとしましたから、ここで区切りとしたんです。3年半ぐらいかかりましたね」
ひと言で3年半といっても、様々な紆余曲折があったに違いない。それを乗り越えてまで、どうして同性婚について書きたかったのか、そもそも、どうしてこの問題について関心を持ったのだろうか?
「多分、子供がいなかったら興味を持たなかったと思うんですよ。ここ(カナダ)にいたらあまり感じないですけど、日本だったら『なんだおかまか』で片付けられてしまうじゃないですか?自分の子供がね、そういう風に社会で扱われるとしたら、一般市民として受け入れられないとしたら、親として何を思うだろうかと思ったんですよ」
そんな思いで宮松氏は、『P-フラッグ』という同性愛の子供達を持つ両親のサポート団体を訪れる。
「リサーチの第一歩として、P-フラッグに所属する人達の生の声を聞いたんですよ。いまは、国を二分する大きな問題として注目を集めたり、ゲイという性指向が認められてきていますが、そこにたどり着くまでに彼らの親達は物凄く苦労したわけですよね。親はやはり、親戚とか親しい人達にいつ言おう、どうやって言おうと常に考えているんですね。
取材中に出会ったP-フラッグの会員の1人は、『自分達夫婦は認めているけれど、周りにどの様に言ったら良いのか分からない。でも、彼は本当にいい子なのよ…』って言うんです。本当に私は息子を愛しているの…って言うんですけど、『あの子がゲイじゃなかったらどんなにいいだろう』って泣き出した。その時私は、ああ、やはりこれが親の気持ちだろうなと思いました。痛いほど分かるんですよね。そうでなかったらという気持ちが。子供を愛していればいるほどね。これには心を動かされましたね」
自分の子供が人間的におかしいわけではない。ただ、性指向が男と女ではなく、男と男だったり、女と女であるだけだ。同情という言葉を使いたくは無いが、もらい泣きしてしまったという宮松氏。敢えて、ゲイではない子供を持つ親である氏の立場から歴史を通してマイノリティの権利はこう確立されていったというメッセージを送ることの重要性を感じたという。
「権利の確立に関して、ゲイ・ムーブメントはマイノリティの人達全員に通じるものがありますね。私自身も、アジア人女性、そして年齢も高くなっているというマイノリティであるので、そういう立場である自分とゲイの人達には非常に共通項を見るわけですよね。取材、執筆を通して、マイノリティの権利というのは、一歩一歩、少しずつ進めていかなければ得られないのだということを皆さんにも分かって欲しいと思いました。例えば、私は日本人で夫はカナダ人ですが、戦争中には日系人はカナダ人と結婚できなかったし、キャンプ(強制収容所)に送られたりしていました。今の若い人は、読んだり、聞いたりすることでしかその事実を知らないけれど、今当然のようにある権利も、一世やニ世の人達が少しずつ築いてきたものなんです」
婚姻の権利を手に入れても、実際に結婚する同性愛カップルはほんの一握りかもしれない。でも、選択の余地あるのと無いのとでは違う。それが大切なことなのだと宮松氏は語る。夏の風物詩の1つともなっているお祭り、プライド・ウイーク。イベントを大いに楽しむためにも、その奥に秘められたメッセージに目を向けることの大切さを教えてくれた。
インタビュー/西尾 裕美 |
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Keiko Miyamatsu
73年渡加。結婚、出産後の84年から94年まで日本経済新聞社トロント支社に勤務。その後、フリーランスライターとして活躍中。著者に『カナダ生き生き老い暮らし』(集英社)、『カナダのセクシュアル・マイノリティたち〜人権を求めつづけて〜』(教育史料出版)。
http://canadajournal.whitesnow.jp |
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■カナダのセクシュアル・マイノリティたち
〜人権を求めつづけて〜
03年6月、オンタリオ州でついに同性同士の結婚が認められた。その歩みを徹底リポート。
■カナダ生き生き老い暮らし
67歳でトロントに移住! 元気おばあさんの痛快カナダ老後ライフ。 |
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