日本を含むアジア諸国はもちろん、オーストラリア、アメリカ、ヨーロッパ各国で絶賛され続けるパパ・タラフマラだが、トロントでは初公演となる。演目は『SHIP
IN A VIEW』。舞台中央には、船のマストのようなポールが静かにそびえ立ち、どこかノスタルジックな雰囲気が漂う。
「僕は日立市の生まれなんだけど、『SHIP IN A VIEW』は僕の故郷の風景なんですね。この舞台では1960年代当時の街の、子どもの目から見た情景を描いています。もちろんそれは僕の故郷であるんだけど、一つの地方に留まらない世界です。音楽を聴くように、空間の中に身を浸すような感覚で見てください」
観客はもちろんのこと、数多くの批評家からも賞賛を受けている『SHIP IN A VIEW』。「批評家の見方というものはどうでもいいこと」と切り捨てる小池氏は、全てのものに意味を求めることが本当に必要なのか、という原始的とも思われる問題を提起してくれる。
「『SHIP IN A VIEW』は視覚的に非常に美しい舞台だと思います。意味を追い求めることや、これは何であるかということを考えて見るのではなく、音楽を聴いたり絵画を見たりする時のように鑑賞してください。結局、それが一番素直な見方だと思うんですよね」