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Super Aguri F1 Team
スーパーアグリF1チーム
チーム代表 鈴木亜久里

ポディウムに日の丸を…
鈴木亜久里と2人のドライバーが
スターティンググリッドから見据える夢とは


モータースポーツの最高峰、フォーミュラ・ワン(F1)。
もっと速く…という人類の欲求を具現化する22人のドライバーに、世界中の多くの人が自分の夢と希望を重ねる。そしてそのF1の世界で、長岐にわたり日本人モータースポーツファンの期待を一心に背負い、日本人ドライバーとして初めてポディウム(表彰台)に上ったのが鈴木亜久里氏だ。彼が惜しまれつつもF1シリーズから引退したのは1995年。その翌年にスーパーアグリカンパニーを設立した鈴木氏は、ドライバーとして全日本GT選手権やル・マン24時間レースに参戦する傍ら、オーナーとしてもフォーミュラ・ニッポンなどに参戦し、若手ドライバーを育て続けていた。そして、モータースポーツの発展に生涯を捧げた彼の新たな挑戦が、『スーパーアグリF1チーム』だ。
年間で数十億から数百億といわれるF1の活動資金。その殆どはスポンサー企業からの出資でまかなわれている。車体に記された企業ロゴが全世界に放映されるための広告料といえど、その資金の大きさからマネーゲームといわれることもあるF1シリーズ。しかし今年からは、情熱的な新チームの参加とともに新しい時代の幕が上がることとなるだろう。

『スーパーアグリF1チーム』は今年3月、第1戦バーレーン・グランプリ(GP)からF1シリーズに参戦している。本拠地は東京、日本の自動車メーカー、ホンダのエンジンを積み、ブリジストンのタイヤを使用、パートナーにも日系企業が名を連ねる純日本チームだ。そして、キーとなるファースト・ドライバーには、2004年アメリカGPで、鈴木氏に次ぐ、日本人として2人目の表彰台に上った佐藤琢磨選手(当時B・A・Rホンダ所属)。セカンド・ドライバーには初戦から第4戦まではF1初挑戦の井出有治選手。第5戦からは、井出選手の闘志を受け継ぐ形でフランスのフランク・モンタニー選手を有している。
「純日本のチームにこだわったというより、僕の中での大きなポイントとして、いつの日になるか分からないけれども表彰台に日本の国旗(日の丸)を挙げて、国歌を流したかったんです」
本誌のインタビューに答え、代表の鈴木氏はこう語った。スーパーアグリF1チームにとって、F1シリーズに参戦することで夢が叶ったのではないのだ。現に彼は、「ここから我々の挑戦が始まります」と、バーレーンGPの初日に語っている。そして『SA05』と名付けられた2台のマシンは、第3戦オーストラリアGPで、最下位ながらも完走を果たす。佐藤選手が「ひとつひとつのことを着実にこなしていかなければならない」と語るように、一歩ずつ次へとその歩みを進めているのだ。

モータースポーツファンなら忘れもしない、鈴木氏のF1レーサー時代の辛酸。89年、ザクスピードに在籍していた彼は、予備予選を突破しなければ本戦への出場は認められないというルールのもと果敢に予選突破を狙うが、16戦全戦に予備予選落ちを喫する。しかし彼は、F1への情熱を絶やさなかった。そしてラルース移籍後に日本GPで登りつめた3位の表彰台。何も無いところから這い上がっていくその情熱は、チームのドライバー達やメカニックをはじめ、全てのスタッフが受け継いでいることだろう。
「(マシンが)初めて走ったときが自分の夢が現実になった瞬間。その時点ですぐに次のことを考え始めていた。ただ走っているだけのチームでなくて、チームをこの後どのように強くしていくか、を考えはじめた。完走するということも大切だけれども、より良い結果を出していくのが目標。これから早く、新しい車でより戦闘力のあるチームにしていきたい」
鈴木氏に同意するように、モンタニー選手はこう語っている。
「表彰台を狙う戦闘力のあるチームになるには、まず、豊富な経験が必要だ。F1ではどのチームも、何百万ドルもの資金を毎年、マシン開発に費やしている。そう考えると、今の僕達のマシン(SA05)では優勝争いは難しい。でも、新しい車を投入し、チームが一丸となって頑張ればきっと叶うはずだ」
現在、スーパーアグリF1チームは、2002年のアロウズ『A23』という型のマシンを改良、今年のレギュレーションに見合うよう、改造して使用しているため、日進月歩で開発が進むF1の世界においては、モンタニー選手が語るように、優勝争いに喰い込むことが難しいと言われている。
しかし、「自分が強い意志を持って、自分の目標に向かって努力していくこと」がドライバーとして成功するために必要だったと語る鈴木氏。この信条は、チーム代表となった今でも、彼の体に染み付いているはずだ。

「まもなくカナダGPでモントリオールに行きます。お時間のある方は是非、日本の国旗をもってサーキットに応援に来てください」
日本人の誇りを背負った『鈴木亜久里の大きな夢』は、やっとよちよち歩きを始めたばかり。その成長をサーキットで見守りたい。











〈インタビュー/西尾 裕美 写真/Courtesy of Super Aguri F1 Team〉

埼玉県所沢市出身。元F1ドライバー。日本国内を中心に若手選手を育てたり、F1でのチーム活動とともに、世界のトップカテゴリーで幅広くレース活動を行う。
www.saf1.co.jp

スーパーアグリF1チーム


1st Driver
佐藤 琢磨選手
2st Driver
フランク・モンタニー選手

Grand Prix du Canada
June 23(fri) to 25(sun)
@Circuit Gilles-Villeneuve, Montreal
www.grandprix.ca


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