ポディウムに日の丸を… 鈴木亜久里と2人のドライバーが スターティンググリッドから見据える夢とは
モータースポーツファンなら忘れもしない、鈴木氏のF1レーサー時代の辛酸。89年、ザクスピードに在籍していた彼は、予備予選を突破しなければ本戦への出場は認められないというルールのもと果敢に予選突破を狙うが、16戦全戦に予備予選落ちを喫する。しかし彼は、F1への情熱を絶やさなかった。そしてラルース移籍後に日本GPで登りつめた3位の表彰台。何も無いところから這い上がっていくその情熱は、チームのドライバー達やメカニックをはじめ、全てのスタッフが受け継いでいることだろう。 「(マシンが)初めて走ったときが自分の夢が現実になった瞬間。その時点ですぐに次のことを考え始めていた。ただ走っているだけのチームでなくて、チームをこの後どのように強くしていくか、を考えはじめた。完走するということも大切だけれども、より良い結果を出していくのが目標。これから早く、新しい車でより戦闘力のあるチームにしていきたい」 鈴木氏に同意するように、モンタニー選手はこう語っている。 「表彰台を狙う戦闘力のあるチームになるには、まず、豊富な経験が必要だ。F1ではどのチームも、何百万ドルもの資金を毎年、マシン開発に費やしている。そう考えると、今の僕達のマシン(SA05)では優勝争いは難しい。でも、新しい車を投入し、チームが一丸となって頑張ればきっと叶うはずだ」 現在、スーパーアグリF1チームは、2002年のアロウズ『A23』という型のマシンを改良、今年のレギュレーションに見合うよう、改造して使用しているため、日進月歩で開発が進むF1の世界においては、モンタニー選手が語るように、優勝争いに喰い込むことが難しいと言われている。 しかし、「自分が強い意志を持って、自分の目標に向かって努力していくこと」がドライバーとして成功するために必要だったと語る鈴木氏。この信条は、チーム代表となった今でも、彼の体に染み付いているはずだ。
「まもなくカナダGPでモントリオールに行きます。お時間のある方は是非、日本の国旗をもってサーキットに応援に来てください」 日本人の誇りを背負った『鈴木亜久里の大きな夢』は、やっとよちよち歩きを始めたばかり。その成長をサーキットで見守りたい。
〈インタビュー/西尾 裕美 写真/Courtesy of Super Aguri F1 Team〉
Grand Prix du Canada June 23(fri) to 25(sun) @Circuit Gilles-Villeneuve, Montreal www.grandprix.ca