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トロントの各界で活躍する著名人にインタビュー

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Cornelius
コーネリアス
ミュージシャン
カテゴリも距離も飛び越える自由な音楽

93年のソロデビュー以来、その音楽はもとより、映像、CM、ファッション各方面で常に注目の的であり続けているCornelius(コーネリアス/小山田圭吾)。新譜の度に、音楽専門誌はもちろんファッション誌、各種情報誌に至るまで、大量に表紙を飾る日本人ミュージシャンはそう多くない。06年秋、新作「Sensuous」を発表。02年の「Point」から実に5年ぶりの新譜とそれに連なる国内ツアーは、前作同様、話題をさらった。そして4月23日、米オレゴン州ポートランドを皮切りに始まったワールドツアーは、アメリカ国内で10か所、ヨーロッパで13か所というスケール。アメリカ7か所目となるシカゴで、久しぶりに小山田氏と対面した。02年の夏、デトロイトでの「Point」ツアーの際もトロントからドライブし、周りの観客たちが、呆然とその音楽と映像とのシンクロに圧倒されていた姿を思い出した。今回はどんな体験ができるのだろうか。5月初旬、ライブへの期待とインタビューへの不安を抱えてシカゴに入った。

―もう3か月位ですか? 移動が続いていますよね? 
「そうね、日本ツアーが始まったのが2月だから。ずっーと、この人たち(バンドのメンバー及びスタッフ)と一緒に生活をしてて(笑)」

―移動すること自体は苦痛じゃないんですか? 飛行機に乗るということにワクワクしたりは?
「どっちかっていうと嫌いです。できれば日本にいたいですね、ずっと(笑)」

―弊紙は、移動の途中の人や、移動が終わってトロントに行き着いた人達が読者なのですが…。海外に移住することを夢想したことってありましたか?
「ツアーとかで色んな国や場所に行ったりするんだけど、つくづく思うのは『ああ、日本に帰りたいな』ってことで(笑)。移動する行為が余り好きじゃないのもあるけど。移動した先で色んな人にあったり、普段とは違う環境に行って新鮮な気持ちになるのは楽しいし、自分の考えを広げてくれるっていうかね、それで(ツアーなどを)やっているところはあると思うんだけど。ただまぁ、住むとなると海外の街と自分の街を比較したりするじゃないですか。で、その結果、自分は本当に日本人なんだなと思うんですよ」

―5年前とリアクションやお客さんの感じって、変わりましたか?
「一番驚いたのは、幕が開くとお客さんがカメラを構えてて、とにかく撮ってるんですよ、今回は。すごい撮ってるなと思って、ライブ終わった後にホテルに帰って、You Tubeとか見るとその夜のライブがもう上がってたりするんだよね(笑)。それが今回は結構驚きました。すごいスピード。携帯電話も日本から持ってきたものがそのまま使えるし、ネットもどこでも繋がるし、特にそういう部分が5年で随分変わった気がした」

―デジタル化が進んで以来、東京を離れて海外に移住するミュージシャンもいますよね。
「昔は、(日本から)出ないと海外で音楽活動するのは難しかったと思うんですよ。そのために向こう(海外)に住んでる人って多かったと思うし。更に昔は未知の世界というか、海外に対する憧れってかなりあって、未体験の場所には行ってみたいし、そこでは新鮮な気持ちになれるし。でも、90年代以降、ネットとかが便利になってからは、別にそんなに距離を感じなくなってきているから。海外に住んでてやってたミュージシャン達も、日本に帰ってきた人は多いんですよね。特に最近は、どこもそんなに違わないなっていう感覚はあるのかな」

―小山田さんは、ずっと都内のほぼ同じエリアにいますけど、歌詞やタイトルには移動のイメージを感じるんです。長く使われているフレーズ「from Nakameguro to Everywhere」は、小山田さんがベースを中目黒に持って、そこを中心に外側を見ているような感じでしょうか。
「基本的に面倒くさがりで、出不精なんで。そんなにアクティブにはならない。ツアー以外での海外って、CM撮影でグアムに行っただけ、最近では。東京にいてもルーティンな生活で、家と中目黒のスタジオの往復みたいな感じなんだけど。ただ、そういうところにいながら、音楽はイマジネーションの中で広い世界を見ているみたいな…。そういう感じはあるかもしれない」

自身のオリジナル作品以外でも、ベックやブラー、スティングのリミックス、坂本龍一、細野晴臣らとのコラボレーション等、国内外を問わず各方面からのオファーは引きも切らない。各国でアルバムがリリースされ、ワールドツアーを行い、様々なアーティストと渉りあっているこのミュージシャン、実は一般的にイメージされる「国際派」とは程遠かった。しかし、Corneliusの音楽がマーケットを日本に限定せず、世界に向けて作られているであろうことは明白だ。彼は、日本国内のある一点(Nakameguro)を自分の「場所」としてそこを中心に全方向(Everywhere)に開いている。360度のパノラマで世界に面している。真に国境を越える、というのは語学力や知識、度胸などが鍵なのではなく、世界へと大きく開かれたAttitudeなのだろうと感じた。
そしてこのインタビューの数時間後、もう既によく聴きこんでいたはずの彼の音楽への印象は、素晴らしい映像を伴って大きくひっくり返される。次は何が出てくるのか? 08年初めに、再び北米を訪れる話もあると聞いて、また胸を高鳴らせてしまうのだった。



〈インタビュー/越中 潮〉

コーネリアス
1969年東京生まれ。89年フリッパーズギターのメンバーとしてデビュー。91年バンド解散後、トラットリア・レーベルの設立・運営に参加。93年「Cornelius(コーネリアス)」として活動開始。『Fantasma(97年)』・『Point』(01年)の2作を世界21カ国で発表。以降、ツアーを含む海外での活動も盛んに行われることとなる。06年『Sensuous』を発表。世界14カ国でも発売。最近の活動は、ベック、スティング、ブラー、坂本龍一、アート・リンゼイ、TAHITI80などの、国内外多数のアーティストとのコラボレーションやリミックス。07年夏は日本国内で行われた各種野外フェスティバルにも多数出演。また、美術館・展覧会への楽曲提供や映像作品の出展なども多い。東京都在住。www.cornelius-sound.com

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