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Yusuke
Iseya
伊勢谷 友介
俳 優 |
| 正しい役者の楽しみ方 |
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| トロント映画祭ミッドナイト・マッドネス部門の常連で、海外にも多くのコアなファンを持つ日本人監督、三池崇史。彼の最新作の和製ウエスタン『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』は今年、ベネチアやトロントをはじめ、各国の映画祭を騒がせた。豪華な出演陣はもちろんのこと、日本映画にもかかわらず全編英語、クエンティン・タランティーノのゲスト出演と、上映前から話題をさらった作品だ。今回は、この『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』のメインキャストの1人、源義経を演じた伊勢谷友介さんにお話を伺った。
アメリカに留学経験がある伊勢谷さん、「よろしくお願いします」と、こちらの目を見ながら手を差し出してくれた。握手から始まる、欧米式のマナーが身についてるようだ。
「カナダは人種による差別がぜんぜんないからいいですね。トロントの最初の印象は”アメリカのきれいバージョン“。比較的(歴史の浅い)新しい国だから、最初に理性が働いて作られた町という感じがしますね。
都市的なところもありますけど、多分、土地が広いからだと思うんですが、ごみごみしてなくて、空気も比較的きれいだし、眺めとかも最高ですね」
東京出身、芸大卒業というアーティスト肌を思わせる俳優さんのコメントとは思えない言葉にすこし驚くと、
「僕、田舎が好きなんですよ。トロントに来て、昨日は夜、結構飲んでたんですけど…、そういう(都会的な)遊びはあまりしてないです。レイク・ルイーズに行ったり、山登りしたり、アルゴンキンパークでカヌーに乗ったり…、僕、そういうの大好きなんですよ。自然が大好きです」
伊勢谷さんは、ハリウッド制作の映画『Blindness』のロケで夏から数ヶ月、トロント近郊のゲルフに滞在し、カナダの生活を満喫したようだ。
今作の『スキヤキ…』では、山形県の山の麓に大きなセットが組まれたという。そこでも広大な景色が楽しめたのではないだろうか。
「時期的に冬だったのでね…。それでも、3日くらい(スケジュールが)空いた時に車で出かけたりしました。白神山地を回ったんですが、きれいでしたよ。でもね…、ロッキー山脈を見ちゃうとね、すごく小さく感じちゃいますよね。バンフとか、ジャスパーのほうはいいですよ。ナショナル・パークがいい! 日本って名勝の地に手擦りとか、つけるじゃないですか? まあ、『ざけんじゃないよ! この青い手擦りは何だよ!』 と思うわけですよ(笑)。そういうのがないのが、カナダはいいなと思いますね。”あなたの責任に任せますよ“ってことが書いてあるけれど、それ以上は何もしない。本当に、そうあるべきだと思いますね。景観を壊しますし、ちょっとした機転とかって(人が生きていくうえでは)必要じゃないですか。そういうのが無くなると、人間はだんだん馬鹿になっていくから」
そして、三池監督についても伺う。監督のトレードマークはミラーサングラス、やや強面な印象だが…。
「僕もどんな方か分からなかったんですが、三池作品の大ファンだったので、お話をいただいて、すごくうれしかったんですよね。撮影は山に入って行うんですが、支度部屋みたいなところが麓にあって、みんな仕事が終わるとそこに帰ってくる。そうすると、タバコを吸いながら監督が、カメラマンの栗田さんという人と一緒にニヤニヤしてるんですよ。いいショットが撮れてるということで、僕はそれを見てて本当に幸せでしたね。喜びを表してくれる監督だと、役者も不安が吹き飛んで、いい仕事ができますからね。
あと、(劇中に)アクションが結構あるんですけど、役者に監督が見せるんですよ。それが、かなりキレがある。
体も出来てらっしゃるし、一緒にやっていて、火を付けられる監督ですよ」
今回の作品はすべて英語台詞。三池監督はあるインタビューで世界を意識してるから、とコメントしているが、伊勢谷さん自身、世界への進出は考えているのだろうか。
「監督がどんな風に意識しているのかはわかりませんが、例えば、『Crouching Tiger, Hidden Dragon(邦題…グリーンデスティニー)』とかは、中国語で作られてアメリカでも大ヒットしましたよね。でも、アメリカのでかいマーケットに売るには、英語じゃないとなかなか難しい。とくに日本映画だと吹き替えてしまう。そうすると、見ている人へのメッセージ…意味が薄れちゃう。そういうところへの監督の意思表示だったのかな、と思ってます。
僕自身については、海外進出を考えているというよりも、いろんな人と、いろんな現場を経験したいと思っていますから、今は、そういう時間だと思っています」
最後に、監督・演出も手がけたことのある彼に、監督業と俳優業の違いやそれぞれの醍醐味について伺った。
「(この世界に入った)一番最初の理由は、僕、ファインアートをやってて、映画を作りたいっていうのが先にあったんですね。その一歩としてモデルがあって、その先に役者があって、その先は監督っていうのがあったんです。でも以前、(今回も共演した)佐藤浩市さんとお仕事させていただいて、役者としての楽しみを教えていただいたんですよ。
味噌汁を創造するのが監督だとすると、具は役者。俳優は、味噌汁を美味しくするために、具であることを楽しむってこともすごく大事。でも、味噌汁を作る方(監督)はシビアな時間が結構あります。
こっちをやり過ぎると、あっちがやりたくなる、あっちをやると、こっちがやりたくなるって感じですけどね」。
〈インタビュー/西尾 裕美〉
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いせや ゆうすけ
1976年生まれ。東京藝術大学美術学部大学院修士課程修了。98年、大学在学中に映画『ワンダフルライフ』(是枝裕和監督)でスクリーンデビュー。同年、ニューヨーク大学映画コースに短期留学し、映画制作を学ぶ。代表作に『CASSHERN』(紀里谷和明監督)、『雪に願うこと』(根岸吉太郎監督)、『嫌われ松子の一生』(中島哲也監督)など。最新作『Blindness』(フェルナンド・メイレレス監督)は来年夏、公開予定。
www.pdash.com/artists/iseya/index.html |
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『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』
壇ノ浦の戦いから百年後、根畑(ネバダ)にある湯田(ユタ)の村。平清盛(佐藤浩市)率いる平家ギャングと源義経(伊勢谷友介)を頭とした源氏ギャングが、この村に眠るといわれている宝を巡り、対立していた。 |
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