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トロントの各界で活躍する著名人にインタビュー

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Yoshihiro Hamaguchi
浜口 喜博
レーシングライダー
楽しみながら限界に挑むレーサー

鈴鹿『8耐』―モータースポーツに馴染みがない方でも聞いたことのあるレースだろう。正式名称を鈴鹿8時間耐久ロードレースといい、毎年7月末に三重県の鈴鹿サーキットで開催される、日本最大のオートバイレースだ。照りつける真夏の太陽の下、2人のライダーが1台のバイクを乗り継いで8時間を走り切る。
この『8耐』に01年から毎年参加しているというレーシングライダーの浜口喜博さんが昨年(07シーズン)、カナダ国内のレースに参戦するため渡加、トロントでお会いする機会を得ることができた。

お話を伺ったのは秋。日本より早く冬を迎えるカナダでは、07年のレースシーズンは終了していた。
「カナダはシーズンが短いんですよね。日本では、3月くらいから10月くらいまでなんですが、カナダは5月から9月の頭まで。その中でスケジュールがたっぷり詰まっています」
浜口さんによれば、オートバイのレースが盛んなのはヨーロッパとのこと。
「カナダのレースは多分、日本ではあまり知られていなくて、『カナダでレースなんかやってるの?』という印象だと思うんですが、それを自分が探りに来たという感じです。
カナダのレースに出場すると、カナディアンがみんな口を揃えて言うことは、『なんで、カナダになんて来るんだ?』ってことです。日本はメーカー(ヤマハなど)がある国なので、(レースが)盛んだと思われているんですね。でもね、思っているほど日本は盛り上がっていない。『コースも悪いのに』とびっくりされても、こちらの人は根本的にレースを楽しんでいるのがすごいなって思うんですよ。雰囲気がすごく楽しい。参加者も見学者もキャンプしながらだったりして…。
07年は全7戦、各地を周りながら開催される選手権(Parts Canada Superbike Championship)のうち、4戦に出場しました。ノバスコシアやカルガリーでもあったんですが、そちらには参戦しませんでした。モントリオールは行きましたけど…。予算が一杯あれば、もっといろんなことが出来るんですけどね」
全戦出場はならなかったものの、カナダでのレースを満喫したという浜口さん、実は彼は少々変わった経歴の持ち主だ。浜口さんは、01年にTBSテレビで放送されたバラエティ番組『ガチンコ!』内のコーナー『バリバリ伝説』に出演、結果的にそれがきっかけでプロに転向している。この番組は、レース経験のないライダー候補生たちを集め、訓練、『8耐』に出場しようというもの。実際は、参加者全員がレース未経験であったわけではなく、2人の経験者がチーム生として参加した。浜口さんはそのうちの一人だ。
「番組では、プロで活躍されていたOBが指導者としていらっしゃって、後は芸能人の方と一緒ですね。
訓練は、僕は大丈夫だったんですけどね…、残りの学院生、他のメンバーの人は大変そうでしたね。
普通にバイクに乗るのとは違って、実際、本当のレースの世界では骨折するわ、怖いわで…、怖がっていましたね。うん、レースは怖いですよ(笑)。危ない。
(だから)ライセンスも普通のライセンスとは違いますよ。レースに出るにはトップライセンスを持っていないといけないのですが、日本でこのライセンスを持つ人は全員で200人くらいじゃないですかね」
インタビュー当日、事務所を訪れてくれた浜口さんの左手にはバンテージが巻かれていた。聞けば、先日の選手権の最終レースで転倒し、指を骨折したという。異国での怪我なので、とりあえず日本に帰るまでの2週間近くを病院に行かなくても過ごせるように、器具で固定してもらっているという。
「今回の怪我は、たいした事ないですよ。骨折ならそのうち、くっつくから。手術とかするとね、治るまでに時間が掛かるんですよね。
レース中は、カナダでは270キロくらいしか出ていませんが、日本で走ってるやつは、300キロを超えますね。だからまあ、転んだら怪我することはよくあります。それでもレースが面白いっていう理由ですか? 依存してるんですよ(笑)」
怪我など、ものともしないような浜口さんだが、『8耐』での経験を聞くと、最初に出てきた言葉は…
「あれはきついですよ! 2人でやるんです。1時間ずつで交代してね。
まあ、レースは毎回キツイし、スタート前は緊張します。後ろにつかれて抜かれそうになったら心理作戦をしたりして…(笑)。レース中はいろいろ考えてますよ。でも、楽しくやってます。この先も楽しく(レースを)やれる方法を考えようと思ってます」
『8耐』を除き、日本で行われるレースにはあまり出場していないと言うが、この先の展望は?
「今は日本より、アメリカとかカナダを見ています。レース出場以外で将来的な流れとしては、日本のバイク商品、つまりパーツを北米で売るという方向でいこうというのはあるんですが、それもまた、このオフシーズンに考えます。
予定では、08年もカナダに来ますよ。サーキットはトロントでなく、オシャワの方面になるですが、ブログを見て来て下さる方もいるんですよ。たまにスタンドから『頑張れ!』って。僕よりもメーカーの人がびっくりします。アジア人がサーキットに来て、催しに参加することは珍しいらしいですよ」
08シーズンもカナダに…と言ってくれた浜口さん。そろそろ雪も解け始め、シーズンの開始も近い。今年もその雄姿を見られることを期待しよう。

〈インタビュー/西尾 裕美〉

はまぐち よしひろ
三重県出身、1976年生まれ。2001年、TBSテレビ『ガチンコ!』の学院生としてレース出場を開始する。同年、鈴鹿8時間耐久レース出場18位完走。海外ではParts Canada Superbike Championshipに出場、シリーズランキング25位、Hindle Pro 600 Sport Bikeシリーズランキング32位。

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