すべて手作り
時間より早めに取材に行くと、お店の奥でオーナー夫妻がモモを作っていた。奥さんのラモは弾力性のある餃子の皮を慣れた手つきでこねている。その向かいではダンナさんが具を練っている。彼らはこうやってチベットの伝統的餃子『モモ』を作っているのだ。
以前は高級ブティックが並ぶヨークビルにあった『Little Tibet』。7年半の営業の末、ちょうど1年前にクイーン・ストリートに移転してきた。ラモによると、日本で最もポピュラーな(?)ガイドブック『地球の歩き方』に紹介されたことから、以前は日本人観光客が集団で押し寄せるという日々が続いたとか。移転後、日本人のお客さんはめっきり減ったという。
ストレートさが魅力のチベット料理
チベット料理の代表格といえば、やはり『モモ』。チベットのモモは形だけ見ると中国料理の餃子に似ているが、味や食べ方は異なる。表面はツヤツヤと弾力があり、中にはしょうがやにんにくなどの香辛料を効かせた牛肉が入っている。チベットでは通常、具に使うのはチベット高地原産のヤクの肉である(ちなみに、ヤクの乳は『ヤク・バターティー』や『ヤク・バター・キャンドル』などチベット人の生活に欠かせない必需品に加工される)。もちろん、トロントにヤク肉を輸入する経路がない現在は、牛肉で代用している。お店自慢のホームメイドのホットソースで食べてみると、力強く、素材の味がストレートにそのまま伝わってくる。
もう一品選んだ『チベタン・ラムカレー』も、迫力のある味が特徴。明らかにインド料理の影響を受けた一品で、よく煮込んだラムは歯ごたえを残しながらも柔らかく仕上がっており、これまた美味。大きめのラムがゴロゴロ入っているのもうれしい。カレースープもほどよい辛さとマイルドさがからみあい、おいしさがストレートに伝わってくる。どちらもランチスペシャルだとサラダとライスがつき、バリュー的にも大満足。
チベット人の気質
チベット料理を食しながら、つくづく思うのはそのストレートさだ。中国、そしてインドという独特の文化をもつ国々と国境を接するチベットは、長年、その2つの国の間でチベットらしさを保ってきた。中国政府はチベットを中国の一部に組み込もうとしているが、実際、チベットには独自の言語、宗教、生活習慣などの文化があり、料理もまた例外ではない。それは、素材を加工したり隠したりせず、まったく質実剛健にそのまま提示すること。まさにチベットの風景、同時にシンプルで実直なチベット人の気質そのものである。
文/篠原 智恵美 |
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Tibetan Rum Curry
(Lunch Special $7.99)
こちらはインド料理の影響を受けたチベタン・ラム・カレー。しっかりと煮込んだ羊の肉がゴロゴロと入っていて食べ応えあり。ランチ・スペシャルだと、ごはんとサラダもついてきてお得。レギュラープライス$12.95。 |
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トロントでわずかに3つのチベット料理レストラン。
中でも『Little Tibet』はいちばん古い。 |
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| チベットの色、澄んだ青色が目に映える店内。清潔で上品、落ち着いて食事ができ、スタッフのサービスも満点。 |
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