薪使用のグリルで調理をするレストランが開店したと聞き、さっそく訪ねてみた。2ヶ月前にオープンしたばかりなのに人が絶えず出入りしている。なんだか良い兆候。店には薪ストーブを思わせる燻し香が漂っている。それもそのはず、店内に設置されたグリルにシェフが薪をくべていた!
薪グリルで焼かれたパン
パンと言うよりピタという名称のほうが的確かも知れないが、ここのサンドウィッチは自家製平パンに包まれてくる。まずこの平パンが噂の薪グリルの上で焼かれる。ポンッとグリルの上にのせられた生地は、しばらく経つとプク〜とふくれあがる。それを機にクルッとひっくり返すと、丁度いい加減の焼き目がついてくる。裏表が焼けるまでたったの数分、薪火の威力は絶大だ。
さて、このパンだが、シェフ、ジェシーが12年もかけ継ぎをしながら大事に育てている天然酵母が生地の発酵剤として使われている。酵母はサワードウ(酸っぱい酵母)だが、パンには気になる酸味は全くない。薪グリルで焼かれ、スモークの香りを仄かに漂わせるこのパンは、どんな中身にでも合いそうなごくシンプルな味だ。
どの料理もカスタマイズ出来るようにしてあるというオーナーの言葉通り、サンドウィッチとフライドポテト用のマヨネーズや、サラダのドレッシング、サイドオーダーなどがかなり充実している。どんな素材にも合うように緻密に計算されてパンも作られているのかも知れない。
サーモンとチポートレの恋
そんなパンに包まれてくるサーモン。おろされた生身はメープルシロップに漬けられてキュアード(Cured)される。日本なら、さしずめ『酢でしめる』ところだが、ここではカナダならではのメープルシロップを使うのだそうだ。キュアードされたサーモンは、小さく切られたトマトと一緒に鉄板でサッといためられ、グリルされたスカリオン(ワケギ)、生レタスと一緒にパンにクルリと包まれる。しかし、包む前に忘れてはならない脇役、それはマヨネーズだ。プレーン、ペスト(バジル)、チポートレ(薫製ハラペーニョ)、オリーブ、ローストガーリック、と種類も多い。単純に好みで選べば良いのだが、癖になるのはなんと言ってもチポートレ・マヨ(ピリ辛注意!)。
ほんのり甘いメープルサーモンがチポートレと甘辛い関係の恋愛劇を演じ、トマトやレタスが脇役らしく静かに主役を引き立てる。そんなドラマがシンプルな平パンという劇場の中で繰りひろげられる。「なんて甘く切ない恋、私と同じね」な〜んて考えてる暇もない程パクパクと口が進んでしまうこのサンドウィッチにはポテトかサラダがついてくる。自分なりにサイドディッシュをカスタマイズすればまた楽しみがひとつ増えること間違いなし!
文/岸 黄葉 |
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Wood Grilled Pizza
(Fresh Tossed Arugula)
($10.00)
グリルで焼かれた生地にリコッタチーズを敷き、新鮮ルッコラとパンツェッタがたっぷりとのせられたピザ。グリルトマトの自然な甘さと絶妙な塩加減、ルッコラに絡まったオリーブドレッシングがアクセント。 |
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薪グリル
トロントでも数少ない薪グリル。火力の強いこのグリルならローストペッパーもアッというまに出来上がる。昔ながらの手法で素材の味を活かしたい、というオーナーの思いがこのグリルに繋がった。 |
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| 薪ストーブの香りのする店内は雰囲気の良いカフェバー風。裏にあるパティオは静かなので、のんびりと会話が楽しめる。 |
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