開業3年というBOHO、金曜の夜ともなればReserved(予約席)の札がほぼ全席を埋め尽くす程の人気ぶり。予約を入れていた客は『馴染みの顔』といった感じで、店内中央のカウンター越しに設置されたキッチンに立つシェフ、スコットさんに向かって『やぁ、今日もまた、ひとつ美味しいのを頼むよ』なんて具合に親しく挨拶を交わす。アットホーム感がありながらも、プロフェッショナルにディナーを演出してくれる、そんなお店だ。
信頼できるシェフの厨房
ウェイターは注文をとると、店内中央のカウンター越しに『これとこれ、お願いします』とシェフに伝える。するとシェフらは顔をキリリとさせてテキパキと動きだす。客席の真ん中の小さなスペースを有効に活用し、スタイリッシュな料理を作り上げてゆくその様は実に小気味がいい。そして、注文の伝達から素材が調理され、その料理が自分のテーブルにやって来るまでの過程を自分の目で確かめられるところも実に嬉しい。
お勧めのニジマス(レインボートラウト)料理もそんな経緯をたどって運ばれて来た。調理したてのレインボートラウトの上にはクルミに似たピーカンナッツと柑橘ベースのバターソースがたっぷりと掛けられている。まだ湯気が立ちのぼる、あつあつのそれは『さぁ、早く食べて』と言わんばかりだ。「それでは、ごめん!」と勢いよく口に運ぶ。まずは予想通り、シトラスの爽やかな香りが広がる。ん? これは一種類や二種類のシトラスではないぞ…、首を傾げる間もなく、次から次へと五感を刺激する味や香りのその正体は?
全ては夢か幻か・・・
ここで使われている柑橘類は、なんと4種類。『柑橘類と魚』の組み合わせで想像するのは大抵、レモンかライムを単品で使用、もしくはこの2種類を合わせたソースだが、ここでは4種類の柑橘類を絶妙に配合することで、それぞれが出しゃばることなく、爽やかな香りと絶妙な味を作り出している。そして、ピーカンナッツとバターソースのリッチな味が更なる贅沢感を醸し出すのだ。
また、予想をいい意味で裏切ってくれるこの一品、主役のレインボートラウトの食感にもひと癖ある。期待通りホックリと仕上げられているが、白身魚特有の淡白な味との先入観は見事に打ち砕かれる。魚にまぶされた各種ハーブとスパイス(その数、なんと16種以上)がハリケーンの様に脳を刺激するのだ。そしてその突風は、瞬く間に全ての感覚を夢の如く包み込む。
夢か幻のようにあっという間に過ぎ去った05年を振り返りながら、そして、晴れやかな06年への虹を渡るように夢のようなこの一品を味わう。一年の締めくくりに相応しいディナーをBOHOのレインボートラウトは保証してくれるはずだ。
〈文・写真/岸 黄葉〉 |
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| Baked Goat Cheese and Caramelized
Onion Tart($9.00) |
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Tangy Lemon Tart with Raspberry
Sorbet($9.00)
香り高いラズベリーと甘酸っぱいレモンという新鮮な組み合わせが、重感あるタルト皮にマッチする。粉雪の中に深紅の火が灯るようなイメージを彷彿させる、ちょっと冷たい冬のデザート。 |
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| ▲落ち着きのある茶系でまとめられた内装。各テーブルにロウソクが灯されると、一段と大人の雰囲気。 |
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