オープンキッチンの中で、3人のシェフが次々とディッシュを仕上げていく。同時にいくつもの料理を作る彼らの動きに無駄はなく、優雅なダンスのようにさえ感じる。
1人のシェフの手元でバーナーの火が噴いた。キャラメルの焦げた香りがキッチンに漂う。彼が作っているのは本日のお勧めデザート「ヴァローナチョコレートのスフレ」。デコレーション用のバナナを一口サイズにカットし、上質な白糖とキャラメルソースをかけてバーナーで一気に表面を焦がす。真っ白なプレートにダークブラウンの焼きたてスフレが載せられた。キャラメライズしたバナナとイチゴを手早く添え、仕上げはフレンチバニラビーンズのソース。スプーンを使いながらスフレの上に繊細な白いラインを描いていく。
カカオのリッチな味わいを、思いっきり楽しむための一品
「ヴァローナチョコレートのスフレ」は一番人気のデザート。世界中のパティシエ達を魅了するフランス、ヴァローナ社のショコラを100パーセント使用したチョコレートスフレだ。上質なカカオから作られたショコラは味も香りも格別。サクッと焼き上げられたスフレにナイフを入れると、中からトロリとチョコレートが溢れ出した。シェフは言う。「スフレの真ん中にヴァローナチョコレートを1かけら入れてからオーブンに入れるんだよ。一度食べたら他のチョコレートが物足りなく感じるヴァローナチョコレートの美味しさを、最大限に楽しんでもらいたいと思ってさ」
この一皿には色々な楽しみがある。サクッとしたスフレ、しっとりと、とろけるチョコレート。キャラメルソースでカリッとコーティングされたバナナ、温かいスフレにひんやりしたソース。まさにシェフのこだわりが詰まったデザートだ。
世界の味がミックスされた、マルチカルチャークイジーヌ
『Small Talk』は、素敵なインテリアショップや雰囲気のいいカフェが並ぶLeaside Villageにある。
広くて開放的なパティオ席。ガラス張りの店内は明るく、シンプルで暖かみのある雰囲気。たとえ満席になっても、ゆっくりと食事と会話を楽しむことができるレストラン、という意味が込められたSmall
Talk(おしゃべり)という店名。
ここのディッシュは、フレンチ、イタリアン、タイ、インディアン…色々な国の料理の影響を受けた、まさにトロントらしいマルチカルチャークイジーヌ。素材の良さにもこだわっており、オーガニックファームから仕入れた新鮮な野菜やフルーツで作られたディッシュはどれも美しい。メニューにはない特別なディッシュが並ぶ日もあるので、お勧め料理を聞いてみるのがベスト。
お客さん、一人一人の表情を見ながら料理を作ることができるオープンキッチンから、シェフたちが贈るディッシュとこだわりデザート。アニバーサリーや特別な人との食事に、素敵なひと時を演出してくれるだろう。
〈文・写真/大村 絵理〉
|
 |
 |
▲Passion Fruit and Triple Sec Gelee
($5.95)
ジュレ(Gelee)はフランス語で「ゼリー」のこと。見た目も涼やかシトラスフレーバーのゼリーは、夏にぴったりのデザート。 |
 |
▲Salmon (sm $9.25 / lg $17.99)
野菜とソースが色鮮やかなサーモンのディッシュ。高温のフライパンでさっと焼いてサーモンの美味しさを閉じ込めてから、オーブンでじっくりとローストしている。 |
 |
| ▲シンプルな内装の店内では、寛ぎの時間が過ごせる。夜はキャンドルライトで更にロマンティックに。 |
|
|
|