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トロントの街を吹く風もすっかり冷たくなった。散歩中、ちょっとお腹がすいたと思い、立ち寄ったのはフィッシュ&チップスの「Chippy's」。オープン以来、常に高い評価を得続けている人気店だ。フィッシュ&チップスと言えば、タラやカレイなどの白身魚のフライとフレンチフライが定番の、イギリス発祥のファーストフードというイメージだが、この有名店にはどんなこだわりがあるのだろうか?
新鮮な魚介類、隠し味は黒ビール!?
「とにかくハイクオリティなフィッシュ&チップスのお店を作りたかったんだ。素材の新鮮さには最もこだわっているよ」というオーナーの一人、ピルチャックさん。「Chippy's」ではタラ、サーモン、車エビ、ホタテなど8種類もの魚貝類の中からフライを選べる。今回はその中でも一番人気のハリバットを注文してみた。ハリバットはカレイ科の魚で大きなものは3mを超えるという。脂肪が少なく、よくしまった白身は淡白な味わいのため、フライにするには最適な魚だ。オーダーカウンターのすぐ後ろで素早く魚を切り、衣をつけて揚げてくれる。「Chippy's」の衣はサクサク感と複雑な味わいに定評があるが、その味付けにはギネスビールを使っているのだと言う。「魚の素材の良さを壊さないように、油の温度と揚げる時間に最も気を配っている。外側はサクッとしていて、中身には魚本来のジューシーさと味わいを残す。それがフィッシュ&チップスの醍醐味だね」というピルチャックさん。サックリと揚がったハリバットはコンテナから飛びだしてしまう程の大きさで、ボリューム満点だ。
理想のフレンチフライをつくる2つのキー
そして、もう一つの主役はフレンチフライ。こちらも注文後に揚げてくれる。ポテトはオンタリオ、又はPEI産の物を時期によって選んでいる。今の季節はオンタリオ・ラセットポテトを使用。おいしく作るコツは、揚げる前にポテトに含まれている水分をどれだけ取り除けるか。そしてもう一つのコツは、低温のキャノーラオイルを使用し、カットしたポテトにじっくりと火を通す作業を行ってから最後に高温で揚げるというダブルブランチング。これが、外側はカラッとしてきれいな黄金色、中身はホクホクの、理想のフレンチフライを作るのだ。秋からはスイートポテトのフレンチフライが火曜日限定でメニューに加わった。日本のサツマイモよりも少しオレンジ色が強いポテトは甘みが強く、通常のものとはひと味違って面白い。フライ類はモルトビネガーとこだわりの海塩でシンプルにいただくのもいいが、ガーリックマヨ、唐辛子マヨ、タルタル、ホットカリーなど自家製ソースも充実しているので、色々試してお気に入りの組み合わせを探すのも良いだろう。
冬の寒さに負けず、熱々のフィッシュ&チップスを片手にトロントの街歩きを楽しもう。
〈文・写真/大村 絵理〉
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