「PRAGUE」は1968年に現在の場所にオープンして以来、父から子へ、またその子どもたちへと、3世代に渡って受け継がれている歴史ある店。精肉店として始まったこの店は、2代目でデリに、そして現在の3代目で、デリにカフェとイートインのサービスが加わった。ここには、その40年近い歴史の中で変わらずに受け継がれているソーセージのレシピがあるという。今回は、その奇跡のレシピを使用した、チェコではホリデーシーズンに必ず食卓に並ぶ伝統的な料理、「Wine
Sausage」を紹介したい。
先人の知恵と技術が生んだ、究極のソーセージ
チェコソーセージの歴史は長く、2代目オーナーが見せてくれたレシピノートによると、その始まりは1612年。チェコでは職人制度により、最低4年間の修行の後、試験に合格しないとソーセージ職人として認められない。そしてその技は、何世代にも渡って伝えられる一族の財産なのだ。3代目のオーナシェフ、トムもソーセージ作りの全てを父から受け継いだ。
やがて運ばれて来たのは、何とも巨大な、そしてユニークな渦巻き形のソーセージ! まずは一口。ジューシーでプリプリした肉は、豚肉と子牛肉を50パーセントずつ使用。口当たりはとてもなめらかで、かなり細かく肉を挽いているようだ。この店には特別な肉ひき機があり、他店よりも細かく肉を挽くことが出来るのだという。そして更にマイルドな口当たりのために、トムは氷を肉ひき機に掛ける。細かく砕かれた氷の粒は、他の材料とよく混ぜられ、腸詰めにされる。そして調理される時に、水分は適度に飛ばされ、ジューシーでいながら、全く脂っこさを感じさせない、ふんわりした口当たりのソーセージが出来上がるのだ。
もう一つ、忘れてはならないのがワインの存在だ。ワインはさわやかな酸味が特徴の白ワイン、リースリングを使用。ホワイトペッパー、クローブなどの香辛料と共に、ソーセージに程よいスパイスを与えている。あくまでシンプルな味付けが、高品質で新鮮な肉の味わいを最大限に生かすのだ。
皿いっぱいに盛りつけられるチェコへのこだわり
付け合わせもとことんチェコにこだわり、ソーセージの後ろに隠れているのは、ポテトサラダ。ひき肉、タマネギ、卵、ニンジン、豆など具沢山で、日本のポテトサラダに似ている。そしてピクルスもチェコからの直輸入品。甘みが少なく、バランスの取れた酸味がソーセージにとても合う。鮮度と品質に対する自信、そして数百年に渡って培われてきた誇りに裏打ちされた一皿だ。
トップレストランで修行していたトムに店を受け継ぐ決心をさせたのは、祖父の生まれ故郷、プラハへの旅。街の美しさ、歴史の重み、食文化の素晴らしさに強く心を動かされたと言う。そんな彼が作り出す料理は、家族の待つ家に帰ったような心地良い雰囲気の中、心とお腹を満たしてくれる。
〈文・写真/大村 絵理〉 |
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▲Savoury Palacinky with Smoked
Salmon ($8.50)
自家製スモークサーモンとケベック産のクリームチーズをチェコクレープで包んだ、カナダとチェコの味の競演。朝食や週末のブランチで人気のメニュー。 |
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▲Caraway Speckled Roast Duck ($11.90)
じっくりとローストされたダック。皮はパリパリ、中身は柔らかくジューシー。付け合わせのポテトダンプリングはもちもちして面白い歯ごたえと味わい。赤、白のキャベツはさっぱりしていて、完璧なバランスの一皿。
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| ▲大きなガラスケースの中は新鮮な肉、ハムやソーセージ、チーズなどで一杯。 |
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