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キング・ストリート・ウエストの劇場が立ち並ぶエリアにイタリアン・レストラン「Kit Kat」はある。昔、バラエティ・ストアとしてオープンしたこの店は、チョコレートバー「Kit
Kat」の赤い看板を掲げていた。その当時の名残で、同名のレストランになってから16年。今回は、有名俳優やスポーツ選手も訪れるというこの店自慢の「シーフードパスタ」を紹介したい。
1グラム10ドル以上!?超高級なスパイスとは?
「うちの素材はとても新鮮だよ。毎回、仕入れの内容によってメニューを決めているんだ」と言う、シェフのダビデ。この日のシーフードパスタは、スペイン産の高級サフランを使った具沢山の「エビ・ホタテ・アサリのリングイネ」。サフランと言えば、インド料理のサフランライスや、スペイン料理のパエリア等に使われているスパイスで、食材を黄色く染める。日本人には馴染みが薄いかもしれないが、イタリアでは古代ローマ時代から、人々に愛されて来た。
気さくなダビデの勧めで、キッチンで彼の料理を見学させてもらうことに。店の真ん中にあるオープンキッチンからは、お客さんの顔がよく見える。調理台には10種類以上の野菜や新鮮なシーフードがカットされ、種類別に並んでいる。まずはオリーブオイルで、グリーンオニオンとオニオンを炒める。フライパンから甘い香りがしてきたら、強火のまま、シーフード類、アーティチョーク、フレッシュバジル、イタリア野菜のラピーニなどを次々と放り込んで手早く炒め、塩とオリーブオイル、白ワインなどで味を整えていく。
吟味された素材を生かす、南イタリアの味
味付けはシンプルだが、その分、素材は厳しく吟味する。例えばアーティチョークも、イタリア産、スペイン産等、色々試してみた結果、一番このパスタに適していたということで中東のものを使用している。南イタリアは地理的にヨーロッパだけでなく、色々な土地のスパイスや食材を容易に得ることができ、しかも、地中海の新鮮な魚介類に恵まれているため、イタリア国内でも最もグルメな地域とされている。そして、ここトロントでも素材に対するその厳しい目が活かされているのだ。
最後に、湯でたてのリングイネ、サフランを溶かしたスープと白ワインを加え、強火で一気にアルコールを飛ばす。サフランの黄色、エビの赤、そしてフレッシュバジルやイタリア野菜のグリーンと、鮮やかなパスタの完成だ。サフランの香りに食欲を更に刺激されて、まずは一口。シーフードの旨味を存分に生かした塩味、そしてサフランとイタリア野菜の特有の、菜の花の様なほろ苦い味が広がる。リングイネも、コシが残るちょうどよい茹で加減だ。トマトソースやクリームソースなど定番のパスタももちろん美味しいが、いつもと少し違った味を楽しみたい時にお勧めのサフラン風味のシーフードパスタ、是非トライしてみて欲しい。
〈文・写真/大村 絵理〉
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