カナダに来てから太ったという人は少なくない。それでも、おいしいものを食べたいと思うのは世の常だ。『カロリーはあまり取りたくないけど、お腹いっぱい食べたーい』というわがままなあなたの望みを叶えてくれるのが「Live
Organic Food Bar」。ビーガン・フードをコンセプトに、さまざまな工夫を凝らしたメニューが味わえると評判の店だ。
普段知ることの無い奥深き食の世界
ビーガンとは完全菜食主義者のことで、動物の肉や魚介類はもちろん、卵や乳製品も口にしない人を指す。シーズンに合わせて1年に4〜5回ほど変えるというメニューを眺めていると、ピザの2文字が目に飛び込んできた。チーズを使わないピザ? ビーガンであることに加え、食材を煮たり、焼いたりすることのないロー・フードのピザだという。一体、どんなピザを提供しているのか、興味が湧いた。
テーブルに運ばれてきたピザには、コリアンダーがベースとなったグリーンのソースがかけられ、色鮮やか。酸味と辛味が混ざり合ったこのソースは、サクサクッとした生地や具との相性も抜群だ。焼いていないのに軽い食感を与える生地についてその秘密を聞くと、食物乾燥機が並ぶ地下のある一室へ案内された。その中に置かれた生地を見ながら「15時間かけて、ゆっくり乾燥させるの。そうすると栄養素を失いにくいし、サクサクの食感に仕上がるのよ」とオーナーのジェニファー。具となるスイートポテトやタマネギも細かく刻んだ後に、同じ手法で乾燥させることにより、サクサクの食感を演出している。
そして、噛めば噛むほど自然の甘さを感じる生地にはもう一つの秘密が…。小麦粉を使っていないのだ。小麦粉に含まれるグルテンという成分は消化されにくく、体内で大量の消化酵素が必要になる。野菜を食べることによって体内で消化酵素が作られやすくなるが、グルテンと一緒に摂取してしまっては意味が無い。そこで、細かくしたそばの実やニンジン、スプラウトなどをよく混ぜ、生地を作っているのだ。
チーズ以上にくせになる味わい
今度はチーズの代わりとなるパテの秘密を探るべく更にピザを頬張る。生地の上に塗られたパテはほんのり甘く、独特の舌触りが特徴だ。ジェニファーは、ピーカンというクルミの一種を使っているのよと教えてくれた。ピーカンはクルミより甘味が強くて脂肪分が多いため、パテにするのに適した食材らしい。水に浸したピーカンの実をミキサーにかけ、味噌やガーリックなどを加えてチーズの代わりとなるように仕上げているそうだ。コリアンダーのソースとも絶妙にマッチし、決して物足りなさを感じさせることないパテに仕上がっている。
開店当初はジュースバーだったこの店、今もオーガニック野菜や果物を使ったジュースの品揃えが豊富だ。ほかにもオーガニック・ビールやワイン、砂糖を一切使用せずに作られたデザートも充実している。ジェニファーたちのアイディア溢れるフードの数々、その美味しさの秘密を探りに、いざ、奥深きビーガンの世界へ。
〈文/佐藤 和紀〉 |
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▲Body Mind and Seoul
($12.50)
手作りのベジタリアン・キムチなどが入ったピリ辛の温かいスープ。ビーガン食ではないが、自然食や長寿食と呼ばれるマクロビオティックの理念に基づいて作られている。 |
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▲The TV Dinner
($13.00)
カナダ人に人気の冷凍食品を皮肉った一品。ミートローフにはカボチャやナッツ類を。マッシュポテトにはカリフラワーがそれぞれ代用されている。 |
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| ▲デザートが並んだショーケースとオーナーのジェニファー。 |
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