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ダウンタウンから東へ少し行った所にある「Distillery District」はトロントのアート、カルチャー、エンターテイメント、様々なシーンで無くてはならないスポットの一つ。ウィスキーの醸造所として建てられた煉瓦造りの建物の中にはレストランやカフェはもちろん、アートギャラリーやおしゃれなショップが軒を連ねている。今回は、その中でも個性的な雰囲気とフレンチスタイルの食事で人気の「The
Boiler House」に出かけてみた。
半日かけて作るスープ・ベース
カナダ産の食材にこだわっているというエグゼクティブ・シェフのエリック。メニューはアルバータ産のビーフテンダーロインからイースト・コーストでとれたシーフードまで、どれも魅力的。季節の野菜を使った工夫あるものも目立つ。
数あるメニューから寒い季節にぴったりの料理ということで「East Coast Lobster Bourride」をオーダー。ブーリードとは南仏でよく作られるシーフードと野菜などが入ったスープ料理のことだ。カナダ産のロブスターで贅沢なダシを作る所からスタート。ロブスターの殻と共にセロリ、ニンジン、玉ねぎ、長ネギなどをオーブンで45分ローストし、白ワインを加えて強めの中火でぐつぐつと煮詰めていく。次に、魚介類から作ったホームメイドのスープベースと水を加え、全体が馴染んできたところで煮込み料理には必須のベイリーフ(ローリエ)、爽やかな香りのコリアンダーシード、フレッシュハーブやブラックペッパーなどを加え、強めの弱火で今度は3時間ほど煮込む。ここではまだスープ料理のベース作りの段階なので、煮詰めすぎずに全ての味と風味をちゃんと出してあげるのがポイントとのこと。
豪華シーフードがたっぷり!
フライパンを高温にあたため、オイルとバターをミックスしたものでシャロットとニンニクを炒める。オイルを混ぜることでバターの沸騰を防ぎ、とろみをキープ出来るという。次にPEI産のムール貝と白ワインを加えフライパンに蓋を被せてしばらく蒸した後、ロブスターの殻を使って作ったスープベースとビックサイズのシュリンプ、ダイバーが潜って獲ったという肉厚な帆立、ひと口サイズにカットされたサーモンや白身魚のグルッパー、そしてロブスターなどの豪華シーフードをたっぷり加える。再び蓋をしてムール貝が開くまで暫し待つと、その頃には他のシーフードにもちょうどよく火が通っている。最後に下茹でしたジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ等と輪切りにしたイカを加えて具沢山のスープ料理の完成。一つひとつの魚介類が丁寧にふっくらと煮込まれていて、ロブスターの殻はもちろん、色々なシーフードのダシがスープにコクと深みを与える。何とも言えず美味。シェフの仕事の正確さやこだわりがしっかり出たスープ料理で冷えた体もポカポカだ。
倉庫を改装したような高い天井は開放感があり、ギターの生演奏を聞きながら食事と会話を楽しめる大人の店。これからのシーズン、大人数でのパーティやロマンティックなディナーにも頼りになりそうなレストランだ。
〈文・写真/大村 絵理〉
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