|
この数年間でクイーンストリート・イーストのレスリービル・エリアはどんどんお洒落になってきている。そんなネイバーフッドで毎晩満席だと噂のレストラン「Table17」は、昨年6月にオープンした大人の雰囲気のワインバー&ビストロ。ワインはなかなかのセレクションで、グラスワインだけでも20種以上ある。料理はヨーロッパのビストロをイメージしているが、食材はローカルのものを出来るだけ多く使い、季節や仕入れに合わせて頻繁に変更するように心がけているとのこと。
高級魚のオーガニック・ブラックコッド
エグゼクティブシェフで共同経営者のジョンの本日のお勧めは、BC州産「銀ダラの椎茸スープ」。1メートルもある銀ダラをまるごと一匹仕入れ、自分たちで捌いているという。まずは切り身にした銀ダラに塩とホワイトペッパーで下味を付ける。フライパンを中火であたため、魚の味を邪魔しないようにキャノーラオイルでパンシアード。表面がカリッとするまで焼いて旨味を閉じ込めるのがポイントだ。魚の良さを活かすように、フライパンの温度には充分気を配っているという。皮のある方を下にして2分焼いた後、450度にあたためたオーブンで4〜5分焼く。
椎茸のスープには高品質な乾燥椎茸を使用。鍋に湯を湧かし、乾燥椎茸を戻しながら甘みのあるホワイトオニオンを少し加えてそのまま20分ほど浸す。旨味成分がじんわりと出て来るのを待つのだ。ダシ汁を漉して旨味が出た後の椎茸を取り除くと、少しブラウンがかったゴールデン色のスープベースができる。スープの具として、ミニポテトを薄くスライスして塩、コショウ、ベイリーフを加えて茹でたもの、甘みのあるスナップエンドウ、そしてダシ用とは別に戻しておいた椎茸を加える。銀ダラをアツアツのスープの上に盛りつけ、その上にライムゼストを掛け、ミントリーフを置いたら完成だ。
繊細で洗練された料理と雰囲気が人気の秘密?
椎茸ダシというと日本食的な風味を想像するが、醤油などは一切加えられていないため、かなり薄味でクリーンな味わい。その分、ダシを取る時に入れたホワイトオニオンや、スナップエンドウの甘さを味わうことが出来る。表面はカリッと焼かれた銀ダラだが、中身は柔らかく、ライムが効いてさっぱりした味わい。一緒に楽しむワインは白ならカルフォルニア産Parducci 2006シャルドネがお勧め。オーキーでリッチな味わいが白身魚と相性が良い。赤ならナイアガラ近くのビームスビル産Malivoire 2006ガメ。元々フランスのボジョレーで栽培される葡萄種のガメは赤ワインの中ではライトなので、繊細な味の料理とのバランスが良い。
シェフのジョンは、日本に1年以上滞在した経験がある。日本のシンプルだが奥の深い料理に感銘を受け、その味付けを学んで来たという。ヨーロピアンスタイルの料理を学んでいた彼に、日本料理の繊細さと、NYやトロントの有名レストランで積んだ経験が加わり、このような洗練されたスタイルが出来あがったのかもしれない。ロマンティックに過ごしたい時はもちろん、ビジネスディナーにもお勧めのスポットだ。
〈文・写真/大村 絵理〉
|