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ここ数年、次々と新しい店がオープンしているアネックスエリア。その中でも特に注目のHarbord St.にある「Tati Bistro」は2007年秋のオープン以来、各メディアから高い評価を受けて、多くのファンを抱える人気のビストロ。気心の知れた友人同士やカップルなどが寛いで食事と会話を楽しめる、大人のカジュアルといった雰囲気だ。
フランス生まれのシェフが作る本場の味
メニューにはエスカルゴやダック・コンフィなどクラシカルなフレンチ・ディッシュも多い。オーナーの一人でシェフのローレントはフランスの伝統的な仏料理レストランで修行を積んできた。せっかくなのでフランス料理らしい一品が食べたいと相談すると「ダック・テリーヌ」を勧めてくれた。
テリーヌは野菜、魚、肉などをすりつぶして混ぜ合わせたものを型に入れて焼いた料理。冷やしてから薄切りにしてサーブされる日本人にもよく知られたアペタイザーのひとつだが、ダックのテリーヌはトロントでも珍しいとのこと。
予想したよりかなり大きなサイズでサーブされたテリーヌはうっすらピンク色で、所々にピスタチオのグリーンが爽やかな彩りを添えている。
パテには鴨肉だけではなく、味にまろやかさやコクを出すために他の肉も加えられているとのこと。全体の60%が鴨肉で、あとはポーク30%とチキン・レバーが10%、素材を挽いてよく混ぜ合わせる所からテリーヌ作りはスタートする。肉を馴染ませている間に玉ねぎとシャロットを炒め、アルコール度の強いマデラ・ワインでフランベ。フランベとはアルコールをフライパンの中に落として炎をパッとあげさせる手法で、一気にアルコール分を飛ばし香り付けをする時に用いられる。次に、オレガノ、タイムなどフレッシュハーブを刻み、ピンクペッパーコーンなどのスパイスやピスタチオ、卵、そして先ほどフランベした玉ねぎ等を肉とよく混ぜ合わせる。ミキサーなどは使わず、テクスチャーを手で確かめながら休まず力を込めて混ぜ続けること約5分、混ぜ合わせたものを型に入れオーブンへ。ちなみにこの料理は、ここで使う陶器で出来た長方形の型のことを仏語でテリーヌと言うことから名付けられたとのこと。180度に温めたオーブンで一時間程焼いたら取り出し、粗熱が取れたら完成だ。
テリーヌにはコート・デュ・ローヌの赤ワインがお勧め
素材がよく混ぜ合わされているため、3種類の肉の旨味が一つにまとまって、ハーブとスパイスの風味も爽やか。一緒にサーブされるカリカリにトーストされた薄切りバゲットにパテのようにのせて頂くも良し、フランスから輸入している粒マスタードと味わうも良し。この”ポメリーマスタード“は辛いだけのマスタードとは一線を画しており、サッパリした酸味が効いていて肉料理にとても合う。また付け合わせのガーキンス(超ミニサイズのキュウリのようなもの)や玉ねぎのピクルスもフランスから輸入。こだわりのフレンチ・チーズやワインの豊富なラインナップも、ビストロ好きにはたまらない。本場フランスの雰囲気を味わいながら楽しい一夜を過ごしたい。
〈文・写真/大村 絵理〉
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