スペリオル湖とヒューロン湖とを結ぶセント・マリーズ川に面するスー・セント・マリー市。北岸はカナダのオンタリオ州、南岸はアメリカのミシガン州に属し、同名のツイン・シティをなしている。両国間はインターナショナル・ブリッジで往来することができる。前号で紹介したとおり、秋にはアルゴマ・セントラル鉄道によるアガワ渓谷紅葉鑑賞列車ツアーの発着地として知られ、多くの観光客でにぎわうが、もう一つこの街には大きな特徴がある。スー・セント・マリーには、大西洋からセント・ローレンス河を経て、五大湖最奥のスペリオル湖に至る水路、「セント・ローレンス・シーウェイ」の最後の閘門(こうもん)があるのだ。1959年完成の新水路に造られた16の閘門の16番目に当たる。
ロック・クルーズで閘門のしくみを実体験
閘門とは、高さの違う水面や急勾配の流れを調節する水門のこと。これにより大型船の運河の通行が可能になった。セント・ローレンス・シーウェイの全長は約3800キロ、北米大陸の約半分を横断する計算になる。初期のフランス人入植者や探検家たちがカヌーで辿った水路が、産業の発展に伴い交通の大動脈へと発展したものだ。初期の交易人たちのロマンを少しでも追体験したいなら、この街の観光ハイライト、ロック・ツアーははずせない。もちろん乗るのはカヌーではなく、ラウンジや観覧デッキのあるモダンな船。夏場はディナークルーズもある。約2時間のツアーは、アメリカ側とカナダ側両方の閘門をまわり、水位の調節を実体験できるので大人気。また、インターナショナル・ブリッジやハーバーフロント、歴史的サイトなど、市内の見所の多くを眺めることができるので、市内観光ツアーとしても利用できる。
国境の町、冬の楽しみ方
免税店やカジノがあるのは国境の町ならでは。しかしナイアガラのような華々しさはなく、素朴な雰囲気。フランス、イギリス系のほかイタリア系住民も多く、ピザ屋から伝統的なレストランまで、質の高いイタリアン・レストランには事欠かない。
スー・セント・マリー市の周辺には、20世紀初めに活躍したカナダの有名な風景画家グループ「グループ・オブ・セブン」の愛した風光明媚なアルゴマ地方の大自然が広がる。また、初夏から秋にかけてのアガワ渓谷ツアー列車は冬季にはスノートレインとなり、雪化粧の森林を鑑賞できる。その他、温泉つきのホテルや、子どもたちの大好きな真冬のカーニバル「ボン・スー」もあり、これからの季節、まだまだ家族で楽しめるディスティネーションだ。
〈文/Yoko Morgenstern〉 |