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| The Clearing |
| ザ・クリアリング |
| 3人のベテラン俳優の演技が光る、大人の心理サスペンス |
ウェイン(レッドフォード)とエイリーン(ミレン)は、結婚30年の裕福な夫婦。子供たちを育てあげながら、一から始めたビジネスを成功させるために奮闘してきたが、その一方で多くの犠牲も払ってきた。
不自由はないが大きな喜びもない毎日を送っていたウェインはある日、元従業員のアーノルド・マック(デフォー)に誘拐されてしまう。辺鄙な山奥に隔離されたウェインと、FBI捜査官と共に血まなこになって夫を助けようとするエイリーンは、この恐ろしい体験の中で自分たちの結婚生活を見つめ直すようになる。そしてタイムリミットが近づくにつれ、無事帰宅したいと熱望するようになるウェインだが…。 |
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主な登場人物はみんな結構なお年頃だし、びっくり仰天の仕掛けや派手なアクションもない。まあ確かにね、『華』がないと言われても仕方ないっす。でもこの作品はプロットの面白さと綿密なキャラクターづくりが売り。テンポの速いアクション満載の映画に比べるとかなり控えめなつくりだが、サイコパスの怖さが満載の、上質の心理サスペンスになっている。
この作品の成功を支えているのは、主な役どころを演じる3人のベテラン俳優による素晴らしい演技。さすが「インサイダー」、「ヒート」などの名プロデューサーとして知られるピーター・J・ブラッジの監督作だけあって、素晴らしいキャストを揃えている。
主演のロバート・レッドフォードは、なんと今年67歳! かつては超美形俳優として真っ白い歯をキラキラさせていた(「追憶」参照)彼だが、今では皺っぽい顔をコナコナ(粉々)させるようになってしまった。しかしその外見の衰えが、彼の俳優としての実力を際立たせるようになったのも事実。この作品での彼の演技は、文句なく一流俳優だ。
そしてそんなレッドフォード演じるウェインと対照的なアーノルド役のウィレム・デフォー(「プラトーン」)も、例の凶悪犯顔で「負け犬」を見事に演じているし、レッドフォードの妻役のヘレン・ミレン(「ゴスフォード・パーク」)も、控えめだが観客の注意を引く演技を見せている。
家族・モラル・権力といった人生観をめぐり、2人の男が繰り広げる大人の心理ドラマ。この夏要チェックの一作だ。
文/志音真人 |
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