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昨年から始まったこのプロジェクトもついに終わりを迎えようとしている。
今だから話せることをいくつか。この「Fatal Inertia」、開発初期は90度急勾配の崖を登ったり、地上高50m以上を飛行したりと上下動の激しい空中戦に近い設定で作られていて、コース上に置かれたゲートや施設も当然宙に浮いていた。今は地面スレスレを疾走するホバーシップに落ち着いている。操作が簡単になった分レース中の武器が使いやすくなり、今では良いバランスに到達している。
もうひとつ、絵作りの設定でカナダスタッフとよくぶつかったこと。それは世界観。まず武器を使いながら熾烈なバトルをしつつのレースと聞き、即座に思い浮かんだのが、映画「マッドマックス」か「北斗の拳」のような近未来世紀末オフロードスタイルの設定。しかしこれが「当たり前すぎる」ということで却下。彼らの狙いはそうではなく、流れるようにつややかな船が美しい風景を駆け抜ける中で武器を使うバトルレース、という一見理解し辛いもので、これを理解するのに2ヶ月を要した。
とにかくカナダ人のプロジェクトであることに気をつけた。日本人である私が彼らの考えを具現化することは文化や価値観の違いを超える挑戦だった。デザイナーとしてどこを尊重し、教育者としてどこを正すか。その加減が正直頭が割れそうに辛かったが、今では全てが良い思い出になっている。
コーエーカナダが放つPlaystation3用ゲーム第一弾「Fatal Inertia」、ついにできあがります。
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