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アメリカ南部で育った黒人音楽ブルースを例に、世の変化が民衆の伝統芸能/芸術の発展に深く関わることを知る事ができる。遠い昔、アフリカから黒人がアメリカに連れてこられ、奴隷解放宣言を経てその地に定住した。虐げられた人々の苦しい生活。彼らは心を癒すように素朴な言葉で歌い、また荒く感情的な声で叫んだ。アフリカから持ち込まれた原始的なリズムを軸に西洋のメロディックな要素が加わり、ブルースの土台は形成される。伴奏はギター、ピアノなど。貧しかった黒人はドイツから安く輸入されたハーモニカを重宝した。そして一部の人々は仕事を求めて北の都会へ。ブルースも拡散していった。各種電気製品の発明に伴い、エレクトリック・ギターが考案される。音量が上がるとともに演奏スタイルも変化しドラム、ベースを加えたバンド編成が主流に。はたまたラジオ、テレビ、レコードの普及は音楽を世界へ運んだ。50、60年代、ブルースは空を飛び、海を渡り、アメリカ各地やイギリスの若者に影響を与える。そしてカントリー・ミュージックの軽快さが結びついてロックン・ロールが誕生した。本来、内向的とも言えるブルースが外の世界をそこまで刺激することになるとは、1世紀前には誰が予想しただろうか。音楽を耳にする時はいつも喜びに溢れるものだ。それでも、その向こうにある歴史との密接な結びつきを考えると、チョコレート・バーほどの大きさしかないハーモニカもとても重く感じられる。
ケン 吉岡
ケン吉岡(トロント在住ミュージシャン、ブルース・ハープ・プレイヤー)
ブルースLIVE@Graffiti's (170 Baldwin : Kensington Market)毎週木曜日4pm
ken0122yoshioka@yahoo.co.jp
http://ca.geocities.com/kenyoshioka99
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