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vol.59ランブリン・オン・マイ・マインド(その3)

ハーモニカ奏者Sugar Blueのギタリストは日本人。シカゴのブルース・シーンで活躍しているなんて凄い。僕には憧れそのものだった。休憩中に「よかったです」と声をかけてみる。一言だけのつもりが、つい日本語の会話がはずんだ。すると、そこへ何とSugar Blue本人が。「この子もハーモニカを吹くんだってさ」と気軽な感じで僕は紹介された。日本の僕の師匠と交流があるということで彼は熱心に語り出す。「遠くからよく来たな。今日はハーモニカを持ってきてるか」 ときた。僕はと言えば観光気分であったためカメラ以外はホテルに置いたまま。吹いてみろって言われても困るぞ。そんなわけで、「いいえ、それより一緒に写真を撮りたいんですけど」とはぐらかす。すると彼の表情は変わり、「おい、楽器を持っていないミュージシャンなんて最低だ。ハーモニカがそんなに重いかい」と真剣に説教を始めたのだ。次のセットが始まるとニコリともせずSugar Blueは行ってしまった。僕は一流の音楽家が持つ厳しい一面を垣間見て、ピシャリと打たれた状態のままクラブを出た。思えば、あの時の出会いには大きな意味があり、その後に続くトロント暮らしで何をすべきかを導く指針になったのではないか。因みに、数年後に雑誌で読んだSugar Blueのインタヴューによると、彼もジャズの巨匠カウント・ベイシーからまったく同じことを言われたそうだ。受け売りだって構いはしない。有り難い言葉には変わりないからな。


ケン 吉岡
ケン吉岡(トロント在住ミュージシャン、ハーモニカ・プレイヤー)
ブルース Gate 403にて(403 Roncesvalles, Dundas west駅)毎週日曜日5pm

ken0122yoshioka@yahoo.co.jp
http://www.myspace.com/kenyoshioka

最終更新日 : [07/04]
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