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トロントでは、特に音楽を売りにしている風ではない飲み屋でもごく普通にバンドが演奏している。そういう店では客があまり聴いていないこともたまにある。それぞれ会話に熱中してたり、カップルはそっちのけでお楽しみ中。快心のソロを決めた時でも「あ、そう」とすら言わない。ミュージシャン側は「ギャラさえ貰えりゃあいいってことよ」と開き直る始末だ。でも、客がそれ程関心を持っていない場で、バンドが何の違和感もなく音を出していると言う状況はある意味興味深い。ライヴ演奏そのものがあまりにも自然で、身近に存在しているということである。ここでは音楽はあって当たり前、特別でなくても欠かせないもののようだ。日本だったら「あれ、何かやってるぞ」とか、むしろ音が喧しいなどで注意を引くのではないか。結局バーのBGMとしては役にたっており、バンドを入れれば客の酒も進むのだから商売としても成り立っている。もっとも時には、打って変わって客が絶好調の日もある。「あんたら酔っ払ってて、何演奏しても盛り上がってくれちゃって」という具合。そうなるとこっちも単純なもので、俄然やる気が出てきてボルテージが上がるわけだ。日によってそういう雰囲気の違いが見事に演奏に反映するのだから面白い。ライヴ・バンドにとってお客さんは指揮者みたいなものだ。ミュージシャンを生かすも殺すもオーディエンス次第。まあ、気を抜いてサラっと観に来て頂ければ有り難き幸せでございます。
ケン 吉岡
トロント在住ミュージシャン、ハーモニカ・プレイヤー)大晦日、日本レストランさかわや(867 Danforth: Donlands駅)で年越しカウントダウンLIVE。9:30pm開演。
ken0122yoshioka@yahoo.co.jp
www.myspace.com/kenyoshioka
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