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ステージ上での語りと言うのは難儀である。気が置けない友人とのお喋りならば、時には矢継ぎ早にあれこれ口から出ることもあるが、ちょっとウィットに富んだ冗談でお客さんの笑いを取るといいかなという状況には、僕はからっきし弱い。パっと面白い話が浮かばないのである。仕方無く、「今のは××の曲です、以上」とブツブツ紹介するのが関の山だ。ショーの進行上ジョークを飛ばして場を盛り上げるのは重要な仕事だろうが、いささか要領を得ない。そうでなければハンサムで演奏も最高の僕は今ごろ大スターになっていたはずだろう(?)。さて、"improvizasion"と言う言葉がある。すなわち即興、アドリブのことだ。あらかじめ指定された音符を演奏するのとは対極の行為で、プレイヤーがフィーリングにまかせ、自由に音を紡ぎ出すことである。僕にとっては直下型の感情の吐露とでも言おうか、隠していたことを酒に酔った勢いで洗いざらい告白する意識(?)で遂行している。分析するに、出てくる音は、以前に外から耳に入ってきたものを自分なりに熟成した後、感覚的に選んで再び発散させたものと思える。同じようにスピーチの際は即興のジョークを、ない機転を無理矢理効かせて試みるより、前もって仕入れた話題の中からいくらか脚色して、思いつくままに言い放てばいいのではないだろうか。ふむ、そうだったのか。問題を提起したと思ったら、さっさと自分で解決策を見つけてしまった。そのうちブルース漫談になるよ。
ケン 吉岡
(トロント在住ミュージシャン、ハーモニカ・プレイヤー)ライブ:毎週日曜日 3:30pm Sublime Cafe (219 Augusta, Kensington Market) にて。カヴァーはチップ式。
ken0122yoshioka@yahoo.co.jp
www.myspace.com/kenyoshioka
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