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vol.79ジェフ・ヒーリーの思い出(1)

先月からずっと、僕はジェフ・ヒーリーの悲報を引きずっているようだ。溜め息が時々出るのはそのせいだろうか。彼の早すぎた死を悼み、もっと何か文にしてみたい。晩年(この言葉を使うのはとてもつらいな)のジェフは商業的な方向は度外視し、昔からのお気に入りの音楽である1920、30年代のジャズに没頭していた。そのため、もしかして読者の中には彼の存在すら知らない若い人もいるかもしれない。その偉大なギタリストを改めて紹介する意味も込めてここに書こうと思う。生まれも育ちもオンタリオ州トロントのジェフは、物心つく前から既にギターをかき鳴らし始めた。膝の上に置き、ピアノを弾くような動作で弦を叩き付ける独自の奏法スタイルを身につけ、才能を開花させていく。しかし、稀な種の癌が原因で幼くして失明(死因もこの憎き癌細胞の転移だったらしい)。ティーンになるとギターの腕で名を上げ、その後すかさずレコード・デヴュー。ヒット曲も飛ばし、グラミー賞、ジュノ賞の声がかかる。でもそんなことより、即興のギター・ソロをライブでプレイする時が彼の独壇場だった。映画 "Roadhouse" でのバー演奏シーンが印象的。また、数々のブルースの巨人との共演でも輝いていた。僕は個人的に彼と面識はなかったし、残念ながら一緒に演奏する機会もないままだったのだけど、トロントの音楽シーンは妙に狭く、何かと鉢合わせる時があった。いくつかの思い出話を次回に続けることにしよう。(続)

ケン 吉岡
(トロント在住ミュージシャン、ハーモニカ・プレイヤー)ライブ:毎週日曜日 3:30pm Sublime Cafe (219 Augusta, Kensington Market) にて。カヴァーはチップ式。
ken0122yoshioka@yahoo.co.jp
www.myspace.com/kenyoshioka

最終更新日 : [04/9]
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