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vol.17 北アメリカ最東端にて、旅芸人を気取る

昨夏、日本から来ていた親父の「北米大陸の東の果てまで行って海を眺めてみたい」と言う要望に応じ、ニュー・ファンドランド島まで数日間の旅に出た。滞在地は入り江の付け根に小さく開けた港町セント・ジョンズ。トンガリ岬のてっぺんまで登ると、はるか彼方まで続く大海原が眼下に迫り、その先には180度以上途切れることのない水平線が地球の丸みをさらしている。大西洋の雄大さを味わうには絶好の場所だ。一方、セント・ジョンズは「飲み屋の町」としても名高く繁華街のパブ密集度は世界でも類を見ない。そして店のほとんどがライヴ・バンドを抱えているというのだから僕のような人間には打ってつけと言えよう。

酒飲みの親父と2人、今夜ははしごと決め込む。だけどただ酔うだけでは終わらせない。ハーモニカとマイク持参なのだから。ニュー・フィーのバンドに飛び入りしようという目論みなのだ。では一軒目。ステージには髭面のブルース・シンガーが。一緒にプレイしたいと休憩中に申し出てみたがあっさり断わられる。そう簡単に思惑通りにはいかないのが世の常か。踵を返し次のバーへ。こちらはケルティック・バンドが演奏中。きさくで大らかなアイリッシュ系ミュージシャンたちから今度は暖かく迎えられた。客の反応も良く数曲だけのつもりが結局まるまる1セット共演。終了後唸るほどの量のビールが運ばれてきた。親子でただ酒にありつき、ひとまずしてやったり、ささやかな喜びに浸り夜通し飲む。翌日のフライトの時間を間違えていたことも知らずに…。

ケン 吉岡
トロント在住ミュージシャン、ブルース・ハープ・プレイヤー。
9/11(日)Junction Art Festivalに出演予定。
Dundas/Keele特設ステージ 2:00pm
http://ca.geocities.com/kenyoshioka99
ken0122yoshioka@yahoo.co.jp

最終更新日 : [09/12]
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