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近頃の日本では色々なところで「子ども達のために」という大義名分を目にする。たとえそれが何かを美化するための発言であったり、ビジネスの要素を覆い隠すための建て前であったとしても構わないと思う。なぜなら「偽善だ」と批判してばかりで何もしない奴等よりも遙かに社会へ貢献しているし、子どもへ夢を与えているから。
スポーツ界でも、「子ども達のために」という謳い文句を掲げて、あちこちでスポーツ教室やサイン会が行われている。俺が子どもの頃には、有名プロ選手によるイベントなんてほとんど無かったから、あらゆるスポーツのプロ選手と触れ合える機会のある現代っ子が羨ましい。と、思っていたら実際にはそうではないようだ。確かに俺の身近にいる子どもが、有名選手のサイン会へ行ったという話は非常に少ないし、プロスポーツ選手に教えて貰った、なんて話は聞いたこともない。やっぱり俺が子どもの頃とは大して変わってないのか? そんな疑問を抱いて、いくつかのスポーツ教室を視察してきた。
大手スポーツメーカーが主催した教室は野球、サッカー、テニス、ゴルフ、柔道を一度に同じ場所で行い、合計で数百人の子どもが参加していた。教えるプロも有名選手ばかり。こんな華やかなイベントには、一体どんな子どもが参加しているのかと一人の関係者に尋ねてみた。すると内緒で興味深い話をしてくれた。一応、イベントの告知に応募し、当選した子どもが参加するということになってはいるのだが、それはごく一部で、大半はメーカーの役員や取引先の社長の御子息といったコネ。他のスポーツ教室も同じようなものだった。まあ、これは当然かもしれない。もし俺がメーカーの役員なら自分の子どもを優先して参加させるだろう。でもこういうところでも格差社会の弊害を見たような気分になり、悲しくなってしまった。
そうは言っても、プロスポーツ選手と一般の子どもが触れ合う場は十数年前に比べると確実に増えている。これは喜ばしいこと。だがもっと増やせるはず。一人の選手がスポーツ教室で教える回数は年に一度程度。しかも全員がイベントに携わるわけではない。野球チームで言えば、オフの間にイベントへ出向く選手はせいぜいチームの3分の1。選手達は自分のことで精一杯かもしれないが、全ての選手が365日のうち、たった1日でも出向けば、スポーツ教室の回数は倍増する。そして参加できる子どもも増える。
本来は選手が一人一人の子どもにじっくりと教えることが望ましいが、一度に沢山の子どもが参加するスポーツ教室では難しい。それでも選手と同じ空間で僅かな時間を過ごすことは子どもにとって素晴らしい思い出。だからプロと名の付くアスリートは少子化が進む現代に希望を与えてくれ!
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