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其の四十二「古い組織と新しい風」

photo日本の野球界はとんでもないことになっている。発端は次々と発覚した裏金問題。諸悪の根源はNPB(日本プロ野球)だ。長年に渡り、選手の獲得のために、不透明な方法で巨額の資金を動かし続けてきた。当然、この問題が明るみになった時、世論は一斉に糾弾した。にも関わらず1ヶ月以上が過ぎた今では、何事も無かったかのようにNPBは淡々と試合をこなし、問題はすっかり風化してしまった印象を受ける。そして騒動のしわ寄せはNPBとは別のところに行ってしまった。
高校生の中にも「栄養費」と称し、NPBの球団から金銭を受け取っていた者が居たことを重く見た高野連は、実に極端なやり方で改革を始めた。野球部員の特待生制度の一掃だ。これまでも、学校が有望な球児を入学させるために授業料を免除するといった待遇は禁止されていたらしいのだが、黙認状態だった。これを今回の騒動の流れで一切の禁止とした。いくら何でも急すぎる! 今まで何の対策も講じなかったくせに突然高校生を犠牲にするとは理不尽だ!
この騒動は根が深くて本当に難しい問題。A級戦犯は仕掛け人のNPB関係者。金品を要求するアマチュア監督や有望選手の家族も居る。アマチュア組織は問題を見て見ぬふりをし、ニュースになった途端、保身に躍起になる。こういった事がドロドロに絡み合ってしまった今ではもはや手遅れなのか?
そんな事を考えながら日本で2番目となる独立リーグの開幕戦へ行ってきた。2年前の四国アイランドリーグに続いて開幕したのは、新潟、石川、長野、富山の4県から成る北信越BCリーグ。当コラムでも紹介した廣田嘉明選手も、四国から生まれ故郷の富山サンダーバーズへ移籍した。独立リーグでプレーする選手は裏金とは無縁。なぜなら彼等はNPBのスカウトの興味を引くことの出来なかった選手達。だからここへ来た。そしていつかは野球で成り上がるために勝負している。元気にプレーする選手達を見ていると、彼等がプレーする場所を欲していたことを強く感じる。
独立リーグが無ければ、夢を諦めていたという選手は多い。だから挑戦することの出来る四国や北信越の選手は幸せだ。だが何年も前、有能な選手に追いやられ、本当にプレーする場所が無かった選手が実際に居たのだ。何故、裏金を用意出来るほど資金力のあるNPBは人材育成や野球文化拡大を怠り続けているのか。何故、高野連は球児の夢を潰しかねない措置を取ろうとするのか。関係者は是非、独立リーグの選手や今でもプレーする場所を求めてもがいている選手の声に、クリーンで純粋な野球を観たいと望むファンの声に耳を傾けるべきだ。まあ、いくらファンが意見を言っても社会的制裁を受けることもなく、隠蔽することしか考えない関係者には届かないか。

最終更新日 : [07/04]
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