Vol. 2 意外と知らない隠れ鬱の症状

 

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月日が経つのは早いもので、もう五月。日本ではゴールデン・ウィークが終わり、五月病が流行る頃ですね。逆にカナダでは、長い冬をようやく終えて気分が高揚してくる時期ですが、それでも毎日私のクリニックには鬱病の方がいらっしゃいます。そして最近多く見られる傾向が、症状を自覚していながら、それが鬱によるものだと気づいていないということです。ストレスなど、別の理由で来院される頃には、実は何年も鬱病を患っていて、長く放っておいたために治療が長引いてしまうことが多々あります。とにかく気分が沈んで家にこもりがちになるのが鬱病のサイン、と思っていませんか? どんな病気でも早期発見が一番。今回は見逃しがちな鬱病の症状についてお 話ししようと思います。精神障害の診断の際には主に「Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(精神障害の診断と統計の手引き)」が使われます。通称DSMと呼ばれており、日本を含め国際的に利用されています。これによる鬱病の診断基準の中でも、あまり一般的にはなじみがないものを挙げてみましょう。


怒りっぽく、癇癪を起こしやすい 精神状態が不安定なため、以前は気にならなかったような小さなことでも、イライラしたり感情を抑えきれなくなって、周りの人と喧嘩が多くなったりします。

毎日のように激しい運動をしないと気がすまない(運動選手を除く) 弱みを他人に見せたがらない人に多い傾向(特に男性)です。他人に相談するより身体を動かす方が「ストレス発散」に効果的と思っていたのが、実は鬱病と戦うための自分なりの方法だということに気がついていないことが多々あります。

疲れやすい、だるい 医師の診断で身体的に問題がないとされても、なんとなく身体が重い、何をしてもすぐ疲れる、などの身体的感覚がある場合、実は精神的なものが原因であることが多いです。

物事を忘れっぽい、小さなミスが多い 認知障害の可能性がないと診断されたのに、以前より集中力が落ちて いたり忘れ物が多くなったりしていたら要注意。これも典型的な鬱病のサインの1つです。

どれか1つがあてはまるからと言って、必ずしも鬱病になっているとは限りません。しかし、「最近どうも以前と調子が違う」と思われる方は、まず身体的な原因がないか、家庭医による検査を受けて下さい。その結果で異常が発見されなかった場 合、お近くの精神科医か、サイコロジストにかかることをお勧めします。ちなみに、精神科医にかかる場合は 家庭医の紹介が必要ですが、サイコロジストにかかる場合は紹介は必要ありません。

 

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