Vol. 12 「失敗しない」進路の見つけ方

 

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私のクリニックにはよく10代後半から20代前半の若い方たちが不安症の治療のために訪れます。よくある原因の一つとして、なりたい職業が見つからない、進路をどうしたらいいかわからないといった悩みがあります。私がこうした患者さんにしているアドバイスがあります。

「安定した職場」などない失業のリスクを懸念して、自分の本当にやりたいことよりも、雇用の比較的安定した大企業や政府関連機関に就職するのを最優先にする若い人が大変多いです。しかし結局、仕事にやりがいを見つけられず、かといって安定した職場を離れるのが不安で辞めることもできない、といったジレンマに陥るリスクが高くなります。実際こうした選択をしたために、 30代、40代で人生がつまらなくなり鬱病を発症してしまった患者さんを数多く見てきました。さらに、安定雇用のために仕事のやりがいを捨てたのにも関わらず、結局リストラされたという人がとても多いのが現状です。

「高い収入」を優先しない「お金で幸せは買えない」という誰でも知っている言葉がありますが、これを実際に進路や職業の選択に生かしている人は、特に若い世代ではあまりいません。高収入の仕事は身体的にリスクの大きいもの(危険な工事現場の技術者など)や、責任重大で精神的にストレス過大なもの(管理職など)が大多数です。私のクリニックには大企業の副社長さんなど、いわゆるエクゼクティブの方も仕事上のストレスなどの理由でいらっしゃいます。その方達皆が口を揃えておっしゃることが、「本当に好きな仕事でなければお給料がいくら高くてもそのストレスに見合わない」という言葉です。

ボランティアが成功のヒント安定度、収入でなければ何を優先するのかといえば当然やりがいのある仕事になるのですが、何をやりたいのか、自分がどんな職業に向いているのか全然わからないというときは、とにかく人生経験を積むしかありません。いろんな経験をし、視野を広げることで今まで見えなかった選択肢が見えてきます。旅行も趣味もクラブ活動もアルバイトもみんな大切な経験ですが、ボランティア活動はその中で一番効果的です。ボランティアですと職歴や学歴がなくても様々な仕事を経験できますし、そこで普段の生活では出会わないような人々と触れ合い、刺激を受けることができます。また、人の役に立つことの喜びを覚えれば、おのずと収入などに左右されない、自分の幸福感を優先する職業の選択ができるようになります。履歴書にボランティア経験を載せると雇用側の印象も良くなるというのもボーナスですね。

もしこれを読んでいらっしゃる方で、進路や就職に悩むお子さんがいらっしゃったら、ぜひご家庭で上記3点のお話をしてみてください。

 

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