Vol. 14 いじめに関するありがちな誤解

 

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昨今、子どもたちの学校でのいじめが、日本やカナダだけでなく多数の国で深刻な問題となっています。学校側の責任や対応が問題視され、改善を求める声が高まる一方、家庭内でいじめの被害に遭っている子どもにどう接すれば良いかなどの情報はあまりメディアには取り上げられません。今回はご家庭で解決法を話し合っていただく上でお役に立てそうな、ありがちないじめについての誤解についてお話します。

逃げたら強くなれないひどいいじめのために登校を拒否するようになってしまった子どもに、「今逃げたら負けだ、がんばれ」というのは長い目で見ると全くの逆効果です。いじめの怖いところは親や学校側が介入しても、子どもがどう態度を変えてもなくならないばかりか悪化する方が多いことです。精神的苦痛を長期間受けたことによる人間不信や自信喪失などの影響は、一生付いて回るトラウマになる可能性があります。転校、引越しなどは、精神衛生に良い環境に変えることでダメージを回避するだけでなく、いじめにあった学校だけが世界の全てではないということを子どもに教えられる良い機会になります。

いじめられる側にも原因がある「性格が暗い」「協調性がない」などと、残念なことに学校の教諭でさえ被害者の子どもを「いじめられて当然」と非難する傾向は未だによく見られます。たとえそれが子どもの欠点だったとしても、悪意を持った行動で対応するのを容認するのではなく、周りが改善する努力の手助けをするのが本来の教育のあるべき姿です。このような発言をする人には、「若い女性が薄着をしていたら性的暴行に遭っても仕方がない」という例えと同じで、加害者に免罪符を渡すことが、いじめがなくならない大きな理由の一つだということを伝えましょう。

いじめられるような内気な性格は直したほうがいい人と話すのが苦手で内気なためにいじめられるといったケースも多いですが、カウンセリングを受けるなど、努力をしてもあまり変化がない場合は、両親がその性格を個性の一つとして認め、 無理にその子の本質を変えようとしないことが大切です。誰もがみんな社交的じゃなくてもいいのです。内気でも人が苦手でもいずれは皆なんとか社会に出て自分にあった職業に就き、自立していきます。大事なのは「内気だから自分はダメなんだ」と自信をなくして人生そのものに投げやりになってしまうのを防ぐことです。

いじめにあった子どもを守るのに一番大事なのは早急の対応です。普段から行動を観察し、会話をまめにすることで子どもがいじめの事実を伝えられなくても問題を察知できるようにすることを心がけましょう。


Image courtesy of David Castillo Dominici at FreeDigitalPhotos.net

 

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