Vol. 16 心の不調を食事で改善

 

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「食は医なり」ということわざの通り、私たちの健康と食生活は切っても切れない縁で結ばれています。近年糖尿病や高血圧などの生活習慣病と、現代食による偏った栄養が問題視されていますが、それは精神衛生においても同じことです。今回は現代人に不足しがちな栄養素と、様々な心理的症状の関係についてお話します。

欝や不安症を予防するビタミンB群ストレスや肌荒れに利くサプリメントとして人気のあるビタミンB群ですが、実は鬱や不安症の予防、治療にも効果的なのはあまり知られていません。脳内物質セロトニンが不足すると気分が落ち込んだり不眠や不安などの症状を覚えたりしますが、特にビタミンB3(ナイアシン)とビタミンB6は、このセロトニンの生成過程に不可欠です。 両ビタミンとも鰯や鯖などの青魚や肉類、ナッツ類などに多く含まれています。さらに、セロトニンをはじめとするすべての脳内物質はアミノ酸で形成されているため、良質のたんぱく質を含む食生活が望ましいので、これらの食品は鬱や不安症に一石二鳥の効果があります。

精神の安定を助ける重要な栄養素・ミネラル群カルシウムやマグネシウム、亜鉛、カリウムといったミネラル群はあらゆる栄養素の中でも現代食に特に不足しがちですが、これらは精神の安定や鎮静に大変効果がある、実は精神衛生上重要な栄養素です。 特にカルシウムとマグネシウムが体内で不足すると睡眠障害や鬱症状、記憶障害が引き起こされたりします。実際、不眠症の患者の血液中のマグネシウムは、かなり低いことが研究でもわかっています。

緊張やイライラを鎮める食物繊維食後の血糖値の急上昇を防ぎ、空腹感を抑えダイエットにも効果のある食物繊維ですが、血糖値の安定は精神の安定にもつながることをご存知でしょうか? 急激な高血糖は身体を興奮、緊張状態にさせるため、精神的にも不安症状に陥りやすくなります。また、前回にもお話ししたストレスによる過敏性腸症候群の治療には、食物繊維や乳酸菌を摂ることで腸内の善玉菌を増やすのが効果的とされています。さらに、偏頭痛や倦怠感、その症状から二次的に引き起こされるイライラや鬱症状も同じように腸内環境を改善することで良くなることがわかっています。

以上に挙げたもののほかにも心理的症状に効果的な栄養素はたくさんあります。細かいことは覚えられなくても、毎日バランスのとれた良い食生活を心がけることで身体的、精神的健康を維持しやすくなるでしょう。

 

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