キャシーの日々ハッテン day.21

女性と結婚してゆくゲイたち

(2012年4月20日記事)

「最近、恋愛の方はどう?」と久しぶりに会った友達に尋ねたら、「それがさ」と長い話になってしまった。紹介で知り合った男性とデートに出かけたこの友達、数回デートを重ねた後に、その彼が近々母国に帰り女性と結婚することを知ったそうだ。こんな話はそんなに珍しいものではない。
同性婚もゲイの人権もある程度確立しているトロントというバブルに住んでいると、ついつい忘れてしまいがちだけど、まだまだゲイが認識されていない社会の方が多い。そんな社会から遥々トロントに来て、ゲイライフを満喫している人はたくさんいるが、誰もが“女性との結婚”から逃れられるわけではない。社会のプレッシャーや、親を悲しませたくないなど、さまざまな理由から女性と結婚をせざるを得ないゲイは多い。ゲイ友達が女性と結婚するなんてニュースを聞くと、自分にそれを置き換えてついネガティブなことばかりを考えてしまう。
しかし、実は彼は女性も男性も好きなバイセクシュアルで、たまたま生涯のパートナーに女性を選んだのかもしれないし、それが彼にとっての幸せなのかもしれない。ゲイ、ストレートに限らず、好きな人と恋愛し、結婚し、生涯を共にすることはみんなの現実ではない。多様な価値観が溢れるこの世界で、何が正しいものかなんて人それぞれである。その友達は結局怒るに怒れず、そんな微妙な状況に怒りの矛先をどこへも向けられず、仕方なく身を引いたそうだ。
女性と結婚したゲイが幸せなのか、本当のところは誰にもわからない。いくら後味が悪くても、彼の選択を否定するようなことは口が裂けても言えるわけがない。今はただ、彼の幸せを祈るだけしかできない。