キャシーの日々ハッテン day.37(2012年12月21日記事)

ハゲるのが怖いゲイ

 雪の降る日曜日の朝、いつもより時間をかけてシャワーを浴び、まったりと髭を整えていると、鏡に映る自分の前髪の生え際が少し後退しているのに気付いた。そんな緊急事態に思いっきり動揺して、気付いたときには彼氏を揺すりながら「あたしハゲたと思う?」と問いつめていた。彼氏は呆れ顔で「ハゲたんじゃない?」としれっと言った。それを聞いて、目の前には世界の終末が見えた。
 少し大げさに聞こえるかもしれないが、これは真剣な問題である。子供の頃、27歳だった親戚のおじさんの頭にバーコードが現れて、スキャンすれば「ハゲ」とでも表示されそうだった。うちの父も、若い頃から髪の毛が薄くて、風が強い日はとても気の毒で見てられなかった。そんな自分も27歳になって、フサフサの髪の毛に“さよなら”を言う日が刻一刻と近づいて来ている。ハゲることの何がそんなに怖いのか自分にもわからない。見た目に厳しいゲイたちから白い目で見られたくないのか。それとも、好きなヘアスタイルに自由にできないのが寂しいのか。もしかしたら、ただ単に自分が肉体的に年老いて行くことにまだ慣れていないのかもしれない。どちらにしろ、怖いものは怖いのだ。
 そんな自分に「別にキャシーが一人でハゲるわけじゃないでしょ。」と彼氏は言った。こっそりと彼の後頭部を見ると、私たちカップルの髪の毛の寿命はどちらもそう長くはないことを悟った。それを知ったからか、気持ちが少し楽になった。「一緒に仲良くハゲて、ダンディなバーコード頭にしようね。」とあたしが言うと、彼は「ハゲたら剃るから!」と迷いもなく言った。その後、坊主頭の是非について言い争ったことについてはまた次の機会に話すわ。


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