キャシーの日々ハッテン day.42(2013年3月1日記事)

トロントのゲイたちはスキンシップが激しい

いつか散歩中にばったり会ったゲイ友達に口にぶっちゅー!っとキスをされたことがある。何事もなかったかのように振る舞う彼を見て、トロントに来て間もなかった自分は一体何が起きたのか理解できなかった。

当時、唇と唇のキスは特別なものだと考えていた。そんな先入観のせいで、友達にキスされた理由を妄想して「まさかキャシーのことが…?」なんて結論にまで達した。後日、「キスはただの挨拶だよ」と他の友達から教わり、淡い恋はあっさり破れた。トロントでの挨拶は基本的にハグで、人によっては両頬にエアーキスをしたりする。スキンシップの好き人は頬に口をつけてキスをしてくる。

日本ではそんな文化に触れて来なかったから、慣れるまでけっこう時間がかかった。それでも唇にキスされるのは今でもできれば避けたい。挨拶のキスで舌は入って来ないが、あの親密さには思わず戸惑ってしまう。露骨に拒否するのも失礼だから、友達が口にキスをしてきそうなときはとっさの反射神経で唇を少しズラす。タイプのイケメンがキスしてきたらむしろ身を捧げるんだけど、これはもう下心以外の何者でもない。

もちろん、これはゲイコミュニティの中の話。"男らしさ"にこだわる北米のストレートコミュニティでは、男同士のハグやキスは珍しい。ビジネスシーンではこうしたスキンシップ自体を避ける。そんなトロントの挨拶に慣れると日本に帰国した際になかなか切り替えられず、身を乗り出してはストップがかかり相手をビックリさせることがある。トロントに住む日本人同士だと、どの挨拶がいいか迷って一緒になって挙動不審になる。

挨拶と一言でいってもその形は数多い。 相手によってかしこく使い分けよう。


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