バランスをとるのが難しい都市開発

2016年5月のTREB取引総数は12,870件で、2015年5月の1,164件から+10.6%の増加でした。これはTREB史上5月としては最大の数字です。2016年5月の平均価格は$751,908で、昨年5月の$649,648に比べ+15.7%と大きく上昇しました。それに対し新規リスティング数は-6.4%、有効リスティング数はなんと-30.4%と3分の1近く減少しています。平均売却日数は-16.7%と、動きは早まる一方です。物件タイプ別の平均価格は、デタッチ(独立住宅)の+18.9%をトップにタウンハウス(集合住宅)が+15.7%、セミデタッチ(準独立住宅)が+11.8%、最後にコンドアパートが+5.9%の順に並びました。特筆すべきは、各物件タイプにおいて郊外の価格上昇率が市内のそれを上回った事です。これは市内の競争と高価格を避け、多くのバイヤーが郊外を目指している事を意味します。かわりに市内が下がるかと言えば、それは違いますが。

さて今回は2016 Growth Planについてお話ししましょう。この都市計画は自然保護の為のGreenbelt Planなどと共に、開発と環境保護のバランスを取るのが目的の一つとなっています。見直されたこの計画で注目すべきは、1)既に住宅密度の高いエリアの住宅密度を更に上げる、2)指定緑地エリアの最低住宅密度を設定する、3)雇用目的の土地(商業・農業用途など)が住宅用途に変更されないよう保護する、です。狙いは都市開発の広がりを防ぎ、特にTTC沿線の開発を促進させ公共交通手段の利用者を増加させることですが、地下鉄などのインフラ整備が遅れている現状では、車の渋滞などを悪化させるばかりか、住宅用地開発の抑制は住宅タイプの選択肢を狭め、結果として更なる競争と価格上昇につながるとの懸念も既に出ております。この都市計画にはトロント市内のみならず周辺地域をもつなげる地下鉄網が必須ですが、住宅用地の開発とのバランスをどう取るかが注目すべき点でしょう。

 

 

 

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