カナダのビザ&移民事情

Vol. 4 システムが根本的に大きく変わる 移民選考モデル

(2014年7月4日記事)

 

今回は来年1月から開始予定のExpressEntry の概要と、

その導入の意味について考えます。

2015年1月からカナダ移民の新しい選考モデルとして、Express Entry( EE)というシステムが導入される。これまでの一定基準を満たした申請者を“先着順” に受け入れるという受身的なモデルから、申請者の中から労働市場が最も必要とするスキルを持った候補者を選別し、永住権取得への道筋をつける能動的モデルに大きく転換することになる。既にオーストラリアやニュージーランドで同様のシステムが採用され、一定の成功を収めていることから、カナダもこれに倣うことにした模様だ。
選考プロセスにおいてこれまでとの大きな違いは、2段階のステップを経て永住権を発行する点にある。第1ステップでは、カナダ移民希望者が職務経験や資格、教育、年齢などの情報をEE フォームに記入しオンラインで提出。政府は特定の基準を満たした申請者を、候補者グループに加えランク付けを行なう。政府はそのグループ内で需要のあるスキルを持つ人や、雇用主からジョブオファーのある候補者を、“Best Candidate” として選定し、Invitation toApply(ITA)を発行する。

第2ステップでは、ITA を発行された候補者が連邦スキルワーカークラス(FSW)、連邦スキルトレードプログラム(FSTP)、カナダ経験クラス(CEC)のいずれかから、自分にふさわしいものを選び、永住権を申請。また、年間割り当て数が決まっている州指名プログラム(PNP)のその人数から溢れた申請者についても、各州政府のオプションでこのシステムを使用できるとしている。

現在、政府はEEシステムを確立するための移民法改正を急いでいるが、ITA を発行するための基準、候補者グループ内でのランク付けの基準、申請クラス別のITAの数、ジョブオファーの正当性評価の方法などの詳細が法律の条文として現れることはなく、これらは全て大臣の権限で決定、随時変 更される見込みだ。

以上が現在発表されているEEの概要及び政府内での動きとなっている。残念ながらCIC の発表はシステムが変わることを表面的にしか伝えておらず、これが移民申請希望者にどのような影響をもたらすのかを十分に伝えていないと言わざるをえない。来年以降は現行の各クラスの申請資格を満たし ていても、政府からInvitation を発行されなければステップ2の移民申請に進めないことになる。さらに、大臣が決定するITA の発行基準によっては、現在のクラス別の申請基準が形骸化し、申請基準を満たすことがより厳しくなるかもしれない。カナダ移民希望者にとっては中長期どころか1 年先の移民申請プランも立てられない厳しい状況となるだろう。

 


<カナダのビザ&移民事情一覧へ

<コラム一覧へ