カナダのビザ&移民事情

Vol.13
ファミリークラスの国内申請は本当に変わったのか?

(2015年4月3日記事)

 

今月はファミリークラス(配偶者、コモンローパートナー)の国内申請カテゴリーについて最近発表された新しい方針についてご説明します。


今年1月に新たな申請システムExpress Entryが始まり、エコノミッククラス(個人移民)の申請についてはこのシステムが適用され、申請から6か月以内にプロセスを完了すると謳われている。その一方で、カナダ人の伴侶や子どもなどの家族が移民申請するファミリークラスは、このシステムには組み込まれておらず、申請方法自体も何ら変更はない。

しかし昨年12月にカナダ移民局(CIC)より、国内申請カテゴリー(Spouse or Common-law Partner in Canada Class)からの申請者に対して、申請から4か月以内にオープンワークパーミットを発行するとの発表があった。そのため、国外申請よりも国内申請のほうが有利だと受けとめている人もいるようだ。はたして本当にそうなのかを検証していこう。

昨年夏以降、国内申請の審査期間の長期化についてマスコミを巻き込んでCICに対する激しい非難が繰り広げられた。その結果、従来申請後の第一ステップ終了(現在プロセス期間17か月)まで待たなくてはならなかったワークパーミットが早期に取得できるようになった(ただし、パイロットプロジェクトなので1年後見直す予定)。

CICとしてはこれによってとりあえずこのカテゴリーの申請者からの非難を抑えこんだため、今後審査期間の短縮に向けてオフィサーの数を増やすなどの本格的な対応をとるかどうかは甚だ疑問だ。結果的に国外申請との審査期間の差は広がったままとなる可能性が高い。

また、ワークパーミットが取得できるようになったといっても、州によってはすぐに健康保険証を取得できるわけではない。たとえばオンタリオ州政府のウェブサイトによると、現在のOHIP(オンタリオ州の健康保険証)発行のルールでは雇用主の名前の入っていないオープンワークパーミットの場合、半年以上のフルタイムのジョブオファーが必要とされている。また、他の申請者と同様にOHIPの申請資格を満たしてからの3か月の待機期間も適用される。

さらに、ワークパーミットが取得できたとしても、永住権のプロセス期間が長期化したままである限り不都合なことに変わりない。国内申請カテゴリーからの申請要件の一つとして“スポンサーとカナダで同居していること”が要求されているため、申請中に仕事で自分だけ他州に移ったり、そのほかの理由で長期別居したりしてしまうと申請資格自体が満たされなくなる。

このほかに、国外申請の場合は申請却下をされた時、Immigration Appeal Division(IAD)に異議申し立て(アピール)をすることができるが、国内申請をした場合はその権利がない。従来から国内申請のデメリットとして挙げられていることだが、申請却下をされた際は再申請しか道が残されていないという点も考慮する必要があるだろう。国内申請に傾きかけている方は、以上の点を考慮に入れて慎重に選択してほしい。  

 


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