カナダのビザ&移民事情

Vol.34
永遠になくならないゴーストの暗躍

(2017年1月6日記事)

 

今月は、最近特に注目されているゴースト・コンサルタントについてです。


カナダ移民法に移民申請の代理人資格規定が加えられたのが2004年。それから10年以上経った今でも、無資格コンサルタントであるゴースト・コンサルタント(以下、ゴースト)の暗躍はなくならない。代理人資格がないゴーストに騙される人がいるだけでなく、今年9月には大規模な移民詐欺が明るみになった。ゴーストだったXun(Sunny)Wangが書類を偽装し不正に移民申請した事件で、クライアントは1,600人を上回るという。500人以上の不正取得が判明しているほか、現在547人が調査中で、既に自主的に永住権、市民権を放棄した人は226人に上るという。

詐欺行為は実に巧妙に行なわれている。例えば、永住権を更新するには過去5年のうち2年間カナダに居住していなければならない。しかし、実際には大半をカナダ国外に居住するクライアントのパスポートの入国スタンプを偽造し、カナダで架空の住所を作るためにアパートを賃貸し電話線をひいてオフィサーからの問い合わせにも対応。ペーパーカンパニーを作って架空のジョブを作り、給与を支給ったことにして(その後払い戻して)堂々とタックスリターンまで行なっていたという。さらには、各種タックスベネフィットまで受け取っていたらしい。

これらの詐欺行為はクライアント同意の上で行なっていたことは間違いないが、信じられないのは、虚偽申請で永住権や市民権を剥奪されたにも関わらず、本人はあくまでも被害者だと言い張りImmigration Appeal Divisionに異議を申し立て、これが棄却されると今度は裁判所に訴訟を起した人がいるという。さらには、この厚顔無恥なクライアントを”罪のない犠牲者”などと弁護し始める弁護士まで出てきているというのだ。

最近同業のコンサルタントから、入手した政府のレターがちょっと変なので見てくれないかと相談を受けたが、形式、文面ともに偽造は明らかだった。これはカナダ国外で暗躍するゴーストが作ったレターのようだが、残念ながらカナダ移民法はカナダ国外のものまで取り締まることができない。したがって、特に海外のゴーストに対しては、ゴーストを使った申請者本人に直接制裁が加えられることは避けられないだろう。ビザや移民申請のサポートを第三者に依頼する場合は、無用なトラブルに巻き込まれないように、自分の身は自分で守ることが必要のようだ。

 


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