カナダのビザ&移民事情

Vol.47
オンタリオ州移民指名プログラム

(2018年2月9日記事)

 

オンタリオ州移民指名プログラム通称「OINP」のアップデートについて

OINPは2007年に試験的なプロジェクトとして発足した。当初は州のサーティフィケート発行数も500人程度であったが、州政府がOINPを州の経済政策の柱の1つとして重視し始めた2015年頃から、発行数を増やすよう連邦政府に熱心な働きかけが行われた。その結果、発行数は昨年6000人に達し、今年2018年の発行予定数が6600人と発表されるなど、オンタリオ州はカナダ全土で最もサーティフィケートの発行数の多い州となった。また、一方でOINPの法制化が進み今年1月1日に「Ontario Immigration Act, 2015」が施行となり、OINPの申請要件やプロセスの透明性、一貫性も法的に確保されたといえる。

州移民指名プログラムとは
カナダの憲法では、イミグレーションは連邦政府と州政府の共同管轄事項であると定められており、これに基づいて連邦政府と各州政府が協定を結び、目標や役割分担を明確化することになっている。州指名プログラムは経済移民カテゴリーの1つであるが、2018年は全体で55,000人の枠があり、これを各州で分担する形となっている。州政府は独自のプログラムを立ち上げ、申請要件を定め、移民者を選別することができる。州政府からサーティフィケートを発行されると、連邦政府では主に犯罪歴チェックと健康診断が行われ永住権が発行される。

ジョブオファーが必要なプログラム
1月18日に受付が開始されたOINPの各プログラムの申請要件を見ていきたい。OINPは、基本的にジョブオファーが必要なプログラムと必要のないプログラムに分かれる。ジョブオファーが必要なプログラムには、外国人就労者向けの「Foreign worker Stream」と留学生向けの「International Student Stream」があり、いずれもオンタリオ州の雇用主からカナダの職業分類(NOC)でスキルレベル0、A、Bのいずれかの職種でフルタイムのジョブオファーが必要である。また、外国人就労者は申請時から遡って5年間のうち、2年以上の当該職種での職務経験を有すること、留学生はカナダの公立カレッジ、大学で2年以上のプログラム、または1年以上の「post-graduate certificate program」を修了し、卒業から2年以内に申請することが条件となっている。いずれも語学スコアは必要とされていない。新設された「In-demand Skilled Stream」では、建設と農業分野の特定の職種において高卒、CLB4以上の英語力、オンタリオ州での1年以上の就労経験があれば申請が可能となる。 これらのプログラムを利用できるのは、3年以上の営業実績を持つ一定規模以上の企業に限られる。つまり、GTA内の企業は年商100万ドル以上、パーマネントフルタイム従業員を5人以上雇用していること、GTA外は年商50万ドル以上、3人以上の雇用が条件となっている。

ジョブオファーが不要なプログラム
Express Entryの登録者を対象としたプログラムには「Human Capital Priorities Stream(HCP)」「French-Speaking Skilled Worker Stream(FSSW)」「Skilled Trades Stream(STS)」がある。HCPは連邦スキルワーカーまたはカナダ経験クラス(CEC)の基準を満たした上で、学士以上、語学力は全スキルCanadian Language Benchmark(CLB)7以上、Express Entryのスコアが400ポイント以上の人が対象。FSSWに関してはフランス語のCLB7と英語のCLB6が必要とされる以外の条件はHCPと同様である。
STSは、CECの要件を満たした上でオンタリオ州からNotification of Interest(NOI)を取得した日から遡って2年以内に、オンタリオ州内で1年以上フルタイムで、NOCのMinor Group 633、 Major Group72/73/82のいずれかの職種における職務経験を有すること、語学力はCLBで5以上が必要とされる。以上のプログラムでサーティフィケートを取得するとExpress Entryのスコアで600ポイント取得でき、永住権申請のためのインビテーションを得ることがほぼ確実となる。

以上のように選択肢は多いが、連邦政府のプログラムと合わせるとかなり複雑な状況を呈しており、各自の置かれた状況に合わせて適格なプログラムを選ぶことが重要である。

 


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