カナダのビザ&移民事情

Vol.48
最近起こった予期せぬ事故

(2018年3月9日記事)

 

ビザ・移民申請に関する予期せぬ事故について

長年、移民やビザの申請業務に携わっていると、これまでの経験から想定されるトラブルの長いリストが出来上がり、できるだけそれを避けるための対策も立てられるようになってくる。しかしながら、後述する政府を含むカナダのサービスプロバイダー側にある能力の限界を考慮すると、予期せぬ事故を100%防ぐことなど不可能であることを痛感する。今回は今年に入ってから既に弊社が経験した事故のうち特に印象に残った3つのケースを取り上げる。

漠然とした理由で不受理を受けた
弊社では最大180日間の期間限定ワークパーミット取得に必要なLabor Market Impact Assessment(LMIA)の申請業務を行っている。このLMIAは外国人就労者数の制限(CAP)が免除されるので、夏の観光シーズンにスタッフを増員したい旅行業界にとってメリットがある。ただし、このLMIAは毎年1回しか申請が認められないためタイミングを逃さないことが重要である。今回のケースは2017年の枠を使うべく昨年12月中旬に申請したところ、支払いの処理ができないという漠然とした理由で、今年1月に入ってから不受理の通知を受けた。
ホリデーシーズン中は郵便事情が悪くなるので、今回の申請書は直接PCからファックス送信で提出をした。ハードコピーをファックス機器を使って送信していないため、支払いのフォームだけが抜けていたり判読できないということはあり得ない。恐らく、必要書類を審査するエージェントによる紛失、見落とし、あるいは、サービスカナダ側のファックス機器の紙詰まりやインク不足などが原因だと思われる。いずれにしても、サービスカナダ側で一体何が起こったのかは知る由もなく、証明のしようもないため雇用主は半ば諦めかけていたが、結局いくつかの証明と状況を説明した抗議文とともに再申請したところ、2017年12月に遡って確かに申請書を受理したというレターが届き、事なきを得た。

カナダポストによる愚策の弊害
カナダポストが最近行なった、XpressPostの送り状の表示変更は、政府が配送現場を全く考慮しなかった愚策の典型である。これまで送り状には送り主、宛先の順で表記されていたが、新しい封筒からこれを逆にしてしまったのだ。これによってソーティングセンターでミスが多発している。弊社がニューブロンズウィック(NB)州オフィス宛に出した郵便は、通常ミシサガの集荷所からセントジョンズに直接配送されるが、追跡記録を見るとなぜかトロントに配送するためのイーストヨークに転送され、あたかも弊社オフィスに返送されるような表示になっている。商業宅配で郵送すれば1〜2日で届く地域だが、私書箱しかないNBオフィスにこの選択肢はなく、発送から既に1週間が経過しようとしている。

オフィサーのアドバイスが仇に
最後のケースは、もし弊社のアドバイスが原因で起こっていたら補償を請求されても文句は言えない種類のものだ。弊社のあるクライアントは、移民申請で無事Confirmation of Permanent Residence(COPR)を発行され、エトビコのオフィスでランディングの手続きを完了した。その時に手続きをしたオフィサー(コールセンターのエージェントではない)が「あなたはワークパーミットを持っているから、PRカードが届く前に出国しても大丈夫」などと言ったために、そのクライアントはその言葉を信じて、即刻日本行きの航空チケットを予約してしまったのである。案の定、カナダ帰国の際にエアカナダのカウンターアテンダントは、eTAかPRカードがないと搭乗は認められないと主張し、もちろん移民ステータスになった後はeTAは発行されないので空港で足止めになってしまった。早急に仕事でカナダに戻らなくてはならないクライアントにとって、PRカードを保有しない永住権保有者がカナダに入国するために申請する「トラベルドキュメント」発行を日本で待っている選択肢はない。結局のところ、クライアントはカナダ行きの航空チケットを諦め、デトロイト経由でバッファローに飛び、陸路でナイアガラを横断して無事トロントに戻ってくることができた。長旅で憔悴しきったクライアントの表情が目に浮んだものだ。

これらの事故はいずれも申請者側がコントロールできないものばかりであるが、例えば間違って却下されても慌てずに済むようにぎりぎりに申請しない、可能な限りカナダポストは避ける、オフィサーといえども簡単に信用しないことによって、自分の身を守ることが必要だ。

 


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