いのちを生きる心と身体 (2016年9月2日記事)



その9:耳の聞こえ、大丈夫!?

春には小鳥のさえずり、夏には浜辺に寄せる潮騒、秋には枯葉の舞い散る音、冬には寒々とした雪嵐…時には優しく、時には厳しく、自然は様々な音色に溢れています。私たちはそれらの音にどのくらい関心を注いでいるでしょう?

映像の音や音楽をイヤホンで聴くのが当たり前で、そしてストレスも多い日々の暮らし…。「音に対する人間の反応は変わりつつあるのでは」「聞きとる力は低下しているのでは」「以前とは異なる健康障害が増えているのでは」とついつい心配になります。

実際、ロック難聴に代表されるように、大きな音を聴き続けることによって耳の聞こえが悪くなることが指摘されています。また、ストレスにより耳の血流障害が生じ、免疫機能が低下してウイルス感染しやすくなり、難聴を起こすこともあります(突発性難聴)。突発性難聴は、ある日突然に片側が聞こえなくなり、耳鳴りや何か詰まったような感じ、めまいを伴うことがあります。“いつ何をしていた時に起こった”とわかるのが特徴です。めまいを繰り返すことはありません。

低音の聞こえが悪くなる難聴は20~30歳代の女性に多く発症します。ゴーという耳鳴りや詰まった感じが特徴。これも、ストレスによるリンパ液の代謝障害が原因と考えられています。めまいは生じません。

耳の聞こえが悪くなる病気は他にもありますが、いずれにしても難聴に気づいたら悪化や再発を避けるために適切な治療を受けましょう。一刻も早い受診が必要なのは突発性難聴。音の受容器である「有毛(ゆうもう)細胞」が障害され、一度壊れると再生しないのです。1~2週間以内に治療しないと回復が難しくなります。私の友人は、デスクに備え付けられた左側の電話に出ないのを職場の同僚が不審に思ったことで発見され、直ぐに受診して事なきを得ました!

現在社会はほんの10年前と比べても、ますます便利で物に溢れています。でも、暮らし方は果たして豊かになっているでしょうか? 時間や空間がまるでせばまったような日々の中でストレスは増大し、人々には余裕がないように見受けられます…。

この初秋は自然の中で心を、身体を感じてみましょう。鈴虫の音に耳が癒されるかも。




「いのちを生きる心と身体」一覧へ

<コラム一覧へ