いのちを生きる心と身体 (2017年3月3日記事)



その15:今日はひな祭り(Doll Festival)!

3月3日は女の子の健康と幸せを願うひな祭り。家にひな人形を飾り、白酒や桃の花を供えます。読者の皆様はひな祭りをどのように過ごしてきたのでしょう?

大分県豊後水道に浮かぶ小さな島で生まれ育った私は、女の子たちと海岸の砂地にゴザを敷き、祖母や母が作ってくれたお祝いの重箱を並べて祝いました。大人はいなくて年上の子が幼児の面倒を見ました。そして石を集めて即席のかまど(ストーブ)を作り、貝や海藻を探してみそ汁を作り、色とりどりの菱餅を焼きました。

今思っても、何と贅沢で優雅な時間だったのでしょう! 重箱にはその時代なりの料理しか入っていなかったのですが、子ども心に楽しくて美味しくて…懐かしさが鮮明に蘇ります。都会の子どもたちとは異なる伝統文化がそこにはありました。子どもたち同士でしっかり互いを気遣い、協力しあって一日を過ごし、海難事故が起こったことはありません。生まれた時から海がそばにあり、岸から飛び込んで遊んだり、大して泳げもしないのに櫓を漕いで沖合へ出て、潜って海藻を収穫したり…どの子も自然の中で生きる強さを養うと同時に、何をすれば危険なのかを経験を通して学んでいたのです。

島のひな祭りの遊び方がいつから始まったのか正確には知りませんが、沢山の子どもが幼児の頃に亡くなっていた昔から幸運を願って脈々と続いてきたのでしょう。戦後生まれの私たちは自然の中で伸び伸びと育ち、心身ともに鍛えられていたんだなあ、と改めて実感します。子どもの健やかな成長を願うのはどの親も社会も同じ。異国で生きる私たちですが、祖国の文化伝統に心を留めて、その中に大事な教えがあることを考えてみたいものですね。

我が家では、日本の親戚や友人に頂いた人形や工芸品をひな祭りに飾っています。着物生地の手作りは本当に可愛くて、その方の想いが伝わってきます。私の貧しかった少女時代を知っているので、夫Johnは「七段飾りを買おうか!」と言ってくれますが、私にはこれらで充分なのです。

さあ~、2人とも着物で正装し、日本料理店へ出かけますよ。幼かった日々の両親、そして日本文化をこよなく愛してくれる夫に感謝して、素敵な時間を過ごしましょう。いつまでも少女のような私でいるために!


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