いのちを生きる心と身体 (2017年10月13日記事)



その21:ある日突然に血尿!

膀胱がんは60歳を超えると急に増えます。排尿時に痛みが無いのに血尿があれば、膀胱がんかもしれません。一般的には男性のほうが女性に比べて多いのですが、親友の女性は62歳の時に膀胱がんと診断されました。私と食事中、突然に出血が。血尿は痛みを伴わず、翌日には通常にもどる場合が多いので、放置する人が少なくないのです。私たちは共にナースなので、その重大さに気づき、泌尿器科を受診しました。
血尿があった際は、超音波検査、膀胱鏡検査(がん細胞かどうか調べるための組織採取)、CT(コンピュータ断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像検査)などが行われます。膀胱がんの進行度は膀胱壁のどこまで達しているかで判断されます。早期がんは粘膜層だけ、あるいは粘膜下層までにとどまっているもの。がんが筋層に達していたり、筋層を超えて広がっていると進行がんとなります。早期がんなのか、進行がんなのかによって、その後の治療方針や病後の経過は大きく異なってきます。これは、膀胱がんのみならず、あらゆるがんに共通しています。
情報社会の現在、進行がんであれば、手術のみでなく放射線治療や抗がん剤治療が組み合わされることを多くの人々は知っています。しかし「進行がんでは、早期がんに比べて手術範囲が広がり、種々の治療に伴う副作用などによって患者がその体力や気力を維持するのはとても大変となり、患者も家族も将来への不安が大きくなる」という点について考えたことがあるでしょうか?
膀胱がんの進行度によっては膀胱が切除され、排尿するために尿路を作る必要がでてきます。また、がんの広がりを抑えるために、男性では前立腺を、女性では子宮を一緒に切除することもあります。改めて「がんの深さ」が重大になることを突きつけられます。早期発見が非常に大事ということですね!
親友は有り難いことに早期がんでした。開腹手術ではなく、尿道から膀胱に内視鏡を入れてがんを切除する内視鏡を使った手術が行われ、身体に対する負担は開腹手術に比べ少なくて済みました。しかし、膀胱がんは再発しやすいという特徴があるので、その後も定期検査をきちんと受けています。ともかくも「初めての血尿を放置せずに対応したこと」が彼女にとって幸いだった、と確信しています。


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